2008年11月30日日曜日

六一◯ハップ

「六一◯ハップ」(ムトウハップと読む)・・懐かしい響きだ。何十年ぶりにこの名前を聞いただろう。

最近のニュースで「本格的入浴剤の製造中止 硫化水素自殺騒動の影響で」という記事の中に「六一◯ハップ」という入浴剤の製造が中止されていたということを知った。

若い人は殆どこの名前を知らないだろう。ムトウは社長の名前武藤から、ハップはハッピーから取ったらしい。

子供の頃、家ではこれを入浴剤として使っていて、風呂場の片隅に置かれたこの容器をよく目にしていた。たしか「バスクリン」などがまだなかったと思う。

ムトウハップは、硫黄や生石灰などを主成分としていて、硫黄が入っている入浴剤なので「家庭で温泉気分が味わえる」として人気だったように記憶している。

ニュース記事によると、今年1月ごろにインターネット上に、硫黄成分を含む入浴剤と洗剤を混ぜる硫化水素自殺の方法が紹介されて以降、状況が一変。自殺者のほか、巻き添えで死亡する家族も出るなど社会問題化し、日本チェーンドラッグストア協会が硫黄成分を含む入浴剤の販売自粛を加盟の小売店に要請。ムトウハップの返品が相次いだらしい。

販売自粛要請は7月には解除されたが、同社は「多くの店は解除を知らず、倒産などの誤ったうわさも流され、返品は止まらなかった」。こうしたことを受け、製造中止を決めたという。

同社は創業102年になる老舗企業だが、ムトウハップの販売だけを頼りに固い商売を続けてきたようだが、全く予期せぬ事態の巻き添えになるなんて、全く予断をぬるさぬ世の中になったものである。

2008年11月26日水曜日

こんなものいらない、静岡空港

「静岡空港(正式名称:富士山静岡空港)」の話題は県民以外は関心がないだろうが、ローカルニュースでは連日この話題が取り上げられている。最近全国ネットにもこの空港の話題がよく取り上げられるようになった。

というのは来年3月開港予定であったが、実にお粗末で信じられない理由で延期を余儀なくされているからである。

空港近隣にある伐採対象外の樹木が航空法の高さ制限に抵触する問題があることがごく最近2008年9月に判明したからである。それならその立ち木を切ればよいのにと思うのだが、それが反対派の地主の土地の中にあるから切ることができないのだ。

そして取ったお粗末対策が「その立ち木を避けるために暫定的に滑走路を短くする」というもの。そのためには1億1千万円の追加費用がかかり、かつ滑走路が短くなるためにその間自動操縦装置が使えず、手動で離発着をする。

その追加費用1億1千万円も県議会の多数派で強行に通してしまった。なおかつ開港が2009年7月まで開港が延期されるのだそうだ。3月開港で準備をしている空港内の業者も大変な被害を蒙るらしい。

総事業費は約1,900億円(そのうち約1,655億円が静岡県の支出)もかかる大事業、あらゆる調査は万全に行われているだろうというのが一般の常識。今になって立ち木が邪魔だから開港できない・・なんてお粗末過ぎて開いた口がふさがらない。

反対派だろうがなんだろうが、お役人の偉いさんが行って誠実に頭を下げれば済むと思うのだが、お役人にはどうも変な面子があるらしい。いっそのこと、かかった追加費用は県知事と担当のお役人が払うとなれば、なんとしても解決しようというように動くのだろうが・・・。昔なら切腹ものだ。

私自身は静岡県民だが静岡県は東西に長いので、その空港へ行くのも羽田空港へ行くのも大差ないので、まず生きているうちにその空港を使うことはない。

自分が使わなくても、お金を生きた使い方をするなら我慢もできるが、先々確実に赤字を生み出すだろうこの空港だけは大反対だ。

中央も地方もいつまでも箱物に頼り、一部利権のための政治はそろそろやめなければ、日本は益々沈んでしまう。

2008年11月20日木曜日

退院後初の定期検診

治験薬を服用し始めて今日で29日目となる。
今日はデータで治験を継続するか中止するかを決める大切な検診日である。

今までも書いたとおり、1ヶ月弱毎日2回服用しているこの薬、全く拍子抜けするほど副作用が現れない。過去イレッサ、点滴の抗がん剤2種、タルセバいずれも程度の差はあるものの副作用にはかなり悩まされた。その感覚からすると副作用のないのは結構なことだが、肝心の効果もないのではないかと疑いを持つようになる。その反面、永く続けるならこの薬は最高な薬であることは疑う余地がない。

治験の予定通り、本日採血、採尿、心電図の測定を行い、その後主治医の先生の検診があった。

・採血に関して・・白血球 2,990、好中球 1,049
相変わらず許容範囲の下限より低かったが、治験を中止するレベルよりは上だったようだ。数値は過去2回とほぼ同じレベル。日常生活に大きな支障はないが、細菌感染等に十分注意する。
肝臓の数値はじめ、白血球以外の項目はすべて許容範囲内であった

・採尿、心電図は異常なし。
・17日のCTの結果 2ヶ月前(今年9月22日)のCT画像と比較した結果は細部まですべて全く変化なし。改善されていることがベストだが、変化のないのもベターな結果。

総合的に判断して、治験薬の服用を今後も継続する。これからの検診は2週間に1度となる。

ガンさえ現状維持が保てるなら、副作用が殆ど現れないこの薬を継続することが望ましい。ただ気懸りは白血球・好中球の減少である。これが副作用かどうかははっきりしないが、低値安定をしているというのは副作用である可能性が大きいのだろう。さらに数値が下がれば中断または中止も考えられるので、数値を下げないことが最大の懸案となる。

2008年11月17日月曜日

奇跡のリンゴ

先日ご近所さんからリンゴを戴いた。

小さいときには母の実家の長野県で育った時期があって、リンゴはなじみの深い果物だ。最近のリンゴはどれも蜜が豊富で甘いものばかり。子供の頃は酸味の強いリンゴも結構あったが、今はどの品種もおいしくなっている。

リンゴといえば、青森で無農薬のリンゴを作っている木村秋則さんのことを書いた「奇跡のリンゴ」(石川拓治著:幻冬舎)という本が話題になっている。木村さんが無農薬でリンゴを作った奮闘記ということから、それほどの期待をしなかったが、読後は石の中に玉を見つけたようなお得な気分を感じる本だ。

リンゴ農家の常識では無農薬・無肥料でリンゴを作ることは、絶対に無理とされ、「不可能ということが常識」であったのだそうだ。

だからその道ではよく勉強した人は、それをほとんど疑いもせず、ばかげた挑戦をする人もほとんどいなかったという。

若いころは東京でサラリーマンをしていた木村さんが、リンゴ農家の跡継ぎのために帰郷後、奥さんが農薬アレルギーであったこともあって、その「絶対不可能の常識」に挑戦することとなる。

現実の収入難の苦しみ、周囲からバカと罵られ、無理解の孤独感に堪え、壮絶な艱難と辛苦に耐え抜いて、ついにその奇跡のリンゴを作るのだが、そのときどきの思いは読む人を引き込まずにはおかない。

何度失敗してもあきらめずについに成し遂げた「不屈の信念」と、「地道さ」、「謙虚さ」はあらゆる分野の人にも参考になる。

その木村さんの多くの言葉が珠玉のように詰まった本だが、「リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。 周りの自然の中で生かされている生き物なわけだ。 人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、 自分独りで生きていると思っている」という言葉はとても含蓄が深い。

他者とのかかわりの中で生きている・・・どんな仕事をしている人も、どんな環境の人も、万人がもういちどこのことを考え直せば違う道が見えてくるのかもしれない。

2008年11月14日金曜日

検査入院

11月12日から3日間、予定されていた2泊3日の検査入院をして、今日退院した。
今日の検査入院の目的は治験薬を飲み始めて3週間目なので、血液中の薬成分のデータを提供することが目的である。

治験薬は飲み始めてから今日で23日目になる。

副作用は表面的に現れるものは何もない。今までの抗がん剤ではいずれも副作用でかなり悩まされたので、拍子抜けをするようだ。

まさかプラセボ(偽薬)では?と疑いたくなるほど何もない。ネットで調べると第Ⅰ~Ⅱ相の治験ではプラセボを使う方法はとらないようなので、副作用が何もないのは本当のようだ。

ただ、白血球は低値安定なので、これが副作用かもしれない。これについては先生は副作用とは断定していない。

白血球の数値改善は前に書いたようなファイトケミカルを飲む方法を試しているが、全く効果がないのか、効果があってこの数値なのか分からない。

副作用云々よりも、効果があるかどうかが最重要。その効果については来週の月曜日にCTを撮影し、水曜日の定期検診で説明がされることになっている。

2008年11月7日金曜日

東京水

毎日治験薬を服用しているが、今のところ副作用らしき現象は一切現われない。今までの抗がん剤に比べると拍子抜けのようだ。前回の検診でも白血球の減少があるのでこれが副作用かもしれないが、白血球は服用以前からも少なかったので副作用とも言い切れない。これで効果があれば万々歳だが・・・。18日にCTを撮るのでそれで薬の効果が分かる。「好事魔多し」、期待半分で結果を待とう。

薬は60mg入りのカプセル3つを午前10時と夜9時の2回飲む。最近は慣れたが、最初の頃はカプセルが結構大きくて、3つを一度に飲むと、喉につかえそうになる。

その際お世話になるのがコップ一杯の水。他の薬より余分に水を飲む。

若干話は変わるが、昨日、近所の家の前を通り過ぎた際、20リットル入りの大きな水のボトルとサーバーとおぼしき台のようなものを業者が運びこんでいた。

最近はこの辺のローカルのテレビでもよく「水商売」の宣伝が盛んで、飲料水を購入している家が増えているようだ。

このように水を買う前提は水道水がまずいという印象があるのだろう。確かに私もずーっとそういう印象をもっていた。でも最近の水道水にはカルキ臭がなくて実にうまくなっている。買った水と温度などの条件を同じにすれば見分けられないのではないだろうか。それもつい最近そのことをを認識した。

子供時代は東京で育ったので、水道水のまずさは身をもって経験している。

先日、ある週刊誌に内館牧子さんの「東京水」というタイトルのエッセイが掲載されていて、面白く読んだ。

東京水とは東京都水道局が東京の水道水をボトルに詰めて販売している水のことである(こちら)。どうも東京都庁などで販売されているらしい。
蛇口をひねれば出てくる水道水をボトルに詰めているだけの水である。500ミリリットル100円という価格は安いのか高いのか?

もちろんそれで商売をすることが目的ではない。殆どの東京在住の人たちが認知している「以前はいかに東京の水道水がまずかったか」ということを前提として、「今は東京の水道水がいかにおいしくなったか」をアッピールするためのパフォーマンスである。いわば一種の「シャレ」で話題を呼んでくれて、東京水道局が注目され、東京人も水道水を見直してくれれば目的が達せられるのだろう。

水道水の原水は地方によって異なるが、今は技術の進歩で多くのところで水道水がおいしくなっているのだろう。

これから確実に食糧難や水不足の時代がやってくる。水道水を見直すことにも意義があるのかもしれない。

2008年11月3日月曜日

とりあえず退院

10月30日から1日置いて、11月1日(土)に採血をした。

その結果、白血球 3,640、好中球 1,001と前回よりやや良い数字になった。

まだ許容範囲の下限には達しないので要注意であるが、3,000を越えていれば絶対安静というほどではなく、ウィルス感染等には十分注意して手洗い、うがいなどを励行すれば自宅での生活に支障はない・・・ということでその日に退院して自宅での服用を続けることになった。

白血球の数値はこの薬を服用する前にもあったし、服用後の2回の測定で1回目より、2回目の数値の方が良くなっていることから、服用している薬の副作用とはいいきれない。

それでも治験薬の副作用としての骨髄抑制が悪化する危険も否定できないので、十分注意しながらの継続となりそうだ。

とりあえず日常の生活はできるだけ外出は避けて、自宅でおとなしくしているしかなさそうだ。