2009年1月29日木曜日

定期検診

昨日は年が変わって3度目の検診日だった。治験の予定に従って採血とx線撮影を行った。検診は13:30から。

治験薬を服用し始めて昨日で98日目になった。

・採血の結果
白血球 4,340、好中球 1,528(35.2%)

白血球、好中球とも前回よりやや改善して、白血球は久しぶりに下限を少し超えて許容範囲内に入った。

肝臓の数値は正常。赤血球は前回と同様やや低かったが、血糖値は正常になった。

レントゲン撮影は主に肺炎等のチェックをするためだが、映像は前回と比較して変化がなく、異常なしだった。

診察結果は概ね良好で、この結果から治験薬の服用を継続する。

副作用については相変わらず表面に現れるものは何もないので、通常の生活が送れている。

治験を開始するときはどこまで行けるか不安ばかりだったが、ありがたいことに何とか3ヶ月を越えることができた。2週間に一度の定期検診はマラソンに例えれば10キロ、15キロといった通過点のようなもの、何とかこのまま完走までたどり着ければいいのだが。

2009年1月25日日曜日

がん難民

22日の報道ステーション(テレビ朝日21時55分)の後半部分で特集「がん難民」が放映された。
ここに登場する藤野さんは医療関係の文献を翻訳するのが本業だが、もうひとつご自分のがん体験を元にボランティアでがん難民の相談を受ける仕事をしている。ファックス相談を寄せた末期がん患者に付き添う様子が描かれていた。

放送によるとがん難民はがん患者128万人のうち実に53%もいるという。この番組ではがん難民のことを標準治療ができず、医師から見放された患者のことを指すというが、53%(ほぼ68万人)という数字は大きすぎて驚かされる。もしかしたら遠隔地、過疎地などで近くにがん専門病院がなくて通えない人も含むのだろうと思う。

番組に登場する藤野さんは「本当のがん治療は医師に見放されたときから始まる」と述べている。患者が医師に見放されたときの絶望感と恐怖感は想像に余りあるが、がんにかかると、誰にでもそんな場面に遭遇する可能性がある。

そんな時、自分も含め多くの人はあきらめの境地になるのだろうが、あきらめてしまったら、そこからは何も生まれない。そこからどう生きるのか、この放送ではひとつのヒントが示されている。

キーワードは患者本人の免疫力。現在の医学でのエビデンスが得られなくとも、患者の延命に効果を上げている薬や治療法はたくさん存在する。

幸いなことに今の世の中には情報があふれるほどある。情報の質の取捨選択は必要だが、欲しい情報は簡単に入手できる。いろいろ試してみる前向きな姿勢が必要なようだ。

解決策はがんから回復するばかりではないようだ。がんと向きあうことで座して死を待つのではなく、死までを有効に生きるという考え方になるのも大切なことのようだ。

放送内容をこちらで見ることができます。

2009年1月22日木曜日

オバマ氏のスピーチ

昨日はアメリカに初の黒人大統領誕生のニュースで世界中が盛り上がった。歴史上の1ページであることは間違いないだろう。

山積みの難問にどう取り組むかは今後の活躍を待つしかないが、それにしてもオバマ氏のスピーチのうまさにはいつも感心させられる。

オバマ氏のスピーチは27歳の有能なスピーチライターが書いていることは有名だが、今回の就任演説に際してはスピーチライターがオバマ氏と数時間のミーティングを経た後、数週間をかけて歴代大統領の就任演説やその批評をたぐり、最終的にはスターバックスの店内で初稿を仕上げたという。

演説の時には原稿などを持たず、観客に目を配りながら語りかけるオバマ氏の様子は日本の政治家とはだいぶ差があるようだ。

オバマ氏の演説を聞いていてつい比較してしまうのが、日本の国会での首相演説である。官僚が書く原稿も無味乾燥で実につまらないが、その原稿をただ棒読みしていたのでは聞く人に感動など与えることはできない。ましてそのつまらない原稿の漢字を読み間違たりするのだから失笑しか買わない。

オバマ氏のニュースの裏では20日の参院予算委員会で、民主党の石井一副代表が麻生太郎首相の漢字の使用、読み方をめぐり、首相にかみつく場面の報道があった。石井氏は文芸春秋に掲載された首相の手記に使われた12個の漢字を並べたボードを用意して首相を挑発した。

莫大な費用のかかる国会で、しかも論議するべき課題は山のようにあるこの緊急時に、最大野党の幹部が起こすこの次元の低いやり取りは一体何なのか?

すっかり制度疲労を起こしている自民党+官僚による政治はチェンジをお願いしたいものだが、一方で対抗馬の最大野党の民主党幹部がこんなに次元が低いようでは嘆かわしいばかりだ。チェンジをした方がいいのか、チェンジをすればさらに悪くなりはしないか・・・不安ばかりになってしまう。

2009年1月19日月曜日

ポジティブシンキング

昨年の末から100年に一度といわれる大不況、年末年始は派遣切りの話題が毎日ニュースで取り上げられた。大手企業が軒並み、右に倣えの施策を取ったやり様には疑問を感じざるを得ない。人を扱う態度としてはあまりに冷酷すぎる。別な知恵を働かせる経営者はいないのだろうか?

こんなときは経営の神様とも呼ばれた松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助さんのことが頭に浮かぶ。彼が現役社長の頃、苦境の時に1人の首も切らないで乗り切ったという話が有名だが、松下さんが今生きていたらこの苦境をどう乗り切るだろうと考える。

私が若い頃、PHP文庫などで松下さんの経営哲学の本を何冊か読んだことがあった。今でも頭に残っていることがある。

『松下さんが幼少の時、お父さんが事業で失敗し、すべての財産を失ってしまった。9歳のときに小学校を中退して、大阪の火鉢屋さんに奉公に出され、10人家族は離散することとなる。
とても悲惨な状況であったのだが、松下さんは、当時を振り返り、「わしは学校にほとんど行っていなかったから良かった。(中略)だから、分らないのが当たり前。何でも人に尋ねることができた。おかげで、たくさんの人から良い知恵をもらって、会社を発展させることができた」
「体が弱かったのも、運が強かった。だから、人に仕事を思いっきり任せ、そして人も育ち、優れた人材になってくれた」』

普通なら自分に降りかかる苦難を嘆き、他者を恨むのだが、この人は何とポジティブな考え方をするのかと感じたものだった。

今多くの企業経営者や政治家達はこのアメリカ発の大不況を他人のせいにし、判を押したような右に倣えの施策を講じているが、もっと各社各様の知恵がありそうに思えて仕方がない。

今こそ、松下さんのようなポジティブシンキングでピンチをチャンスに変える発想が迫られるように思うのだが。

2009年1月14日水曜日

定期健診・CTの説明

今日は年が変わって2度目の検診日だった。治験の予定に従い、血液検査のための採血を行い、その診断の際1月5日に行ったCTの結果説明があった。

治験薬を服用し始めて、今日で84日目になる。

・採血の結果
  白血球 3,680、好中球 1,402(38.1%)

白血球、好中球とも前回よりやや改善。とはいっても許容範囲の下限より下回っている。ただ危険領域には達していないということで、一応合格であった。ウィルス等の感染等に対する注意が必要なことは変わらない。

肝臓の数値は正常。赤血球はやや低く、血糖値やや高いが、両者とも許容値近辺なので特に注意は必要ないとのことであった。

・CTの結果
ほぼ2ヶ月前の11月17日の結果と比較すると、癌組織の大きさは見た目では変化がない。測定したサイズも多少数値の大小はあるが、癌の形が周囲がぼけて定型ではないことから、ほぼ変化なしという判断であった。

この結果から治験薬の服用を継続するということになって、ひとまずは胸をなでおろした。

白血球の減少が副作用だと思われるが、それ以外の副作用は相変わらず表面に現れるものは何もないので、拍子抜けするほど楽な抗がん剤であることは間違いない。

今後の心配は「癌が大きくなる」「白血球が極端に減少する」の2点であり、診察の都度気を揉むことだろうが、できるだけ永く使い続けられることを期待するばかりである。

2009年1月9日金曜日

CTパニック

1月5日定期検診の後、予約してあったのでCT撮影を受診した。

診察科の受付をし、問診表を提出するが、さらに受診者ひとりひとりに看護師さんが簡単な質問をする。氏名や生年月日などの本人確認、食事は3時間以上前だったかとか、造影剤で以前に異常がなかったかとか、安全確認的なものである。

簡単な質問なので通常すぐ終るのだが、私の前の順番の人のところで随分手間取った。会話を聞くつもりはないのだが、順番がすぐ前なのですべて聞こえてくる。

その人の心配は「CTの中で大騒ぎしてしまうかもしれない」というものだった。この病院は始めてらしいのだが、前の病院でCT撮影の際一種の閉所恐怖症のような症状でパニックになったらしい。従って医師の立会いをしてもらえないかというものだった。撮影中、医師に話しかけてもらうと安心するらしい。

看護師さんの対応は「先生に相談してみます」ということで、その後どうなったかは分からないまま私の順番が来てしまったが、人によっていろいろな悩みがあるものだ。本人にとっては深刻な悩みであろうことは想像でき、まことにお気の毒なことである。

治療技術も進歩してくるといろいろな器材が現れる。新しい技術で病状が高い精度で確認できるようにはなったが、一方で抗がん剤での副作用のように、測定技術にも良いことがあると必ずその裏にはある程度の弊害もある。

初期の頃のPETではあの装置の中に同じ姿勢で、たしか1時間以上も入っていたように思う。閉所恐怖症にはならなかったものの、それでも背中がかゆくなったり、咳やくしゃみをしたくなったりと結構耐える時間が長かった。最近はそのPETもPET-CTに変わり、その時間は半分ぐらいになってずいぶん楽にはなったが、そのかわり放射線の被爆量は多くなってこれもまた心配の種だ。

ここ何年か治療技術も測定技術も抗がん剤も日々進歩を遂げていることは肌で感じているのだが、一方その影で危険もまだまだ存在することも無視できないようだ。

2009年1月6日火曜日

定期検診

昨日は年が変わって初めての検診日だった。治験薬服用は昨日で75日目になる。

病院は休み明けの初日だったので混雑を予想したが、想像したよりも患者数が少くほぼ平常どおりの混み具合だった。そこは予約制の良さなのだろうか。

病院へ行って採尿、採血、エックス線撮影の順に回って、14:00に診察室に呼ばれた。

・採血の結果
  白血球 3,630、好中球 1,198(33.97%)

白血球、好中球の数値は前回よりやや悪かったが、ここ何回かの平均的な数字だった。許容範囲の下限より下回っているが、危険領域には達していいないということで、一応合格であった。ただウィルス等の感染等に対する注意が必要なことは変わらない。
 
肝臓の数値はじめ、白血球以外の項目はすべて許容範囲内であった。癌の映像についてはCT撮影が午後予定されており、結果説明は次回の検診時であるが、X線の映像で前回と比較して見ると変化は認められなかった。血液以外の副作用については相変わらず表面に現れるものは何もない。以上の結果から治験薬の服用は継続することになった。

今の治療を始めて2ヵ月半、副作用のない点では他の抗がん剤治療と比較できないほど安定した生活が送れており、このまま継続したい気持が強いのだが、今の心境はちょうど薄氷の上を歩いているような感じだ。足元の氷がいつ壊れて水中に放り出されるか分からない。

骨髄抑制が強く出るような副作用が出るか、効果が認められないということが判明すれば打ち切りとなる。そうならないことを祈りつつ、次の診察を待つという状態が当分続きそうだ。

2009年1月1日木曜日

新年のごあいさつ


あけましておめでとうございます。

元旦の朝は無風快晴のすばらしい天気に恵まれました。この写真は私の住んでいる所から少し西側に移動した場所で10時に撮影した富士山です。

新幹線が写っていますが、新幹線は元旦から休まず走っています。当たり前?・・・でも乗務する職員さん達のお陰で日本を東西に自由に移動できるんですね。働く人々には本当にご苦労さんといいたいと思います。車中には年始で実家に向かう人々、旅行に向かう家族連れ・・・等々明るい笑顔があふれているんでしょうね。

昨年の元旦もこのような写真をここに掲載しましたが、今年もまた同じような写真を掲載できる幸せを感じています。

来年は病気を克服して、写真を撮る側ではなくて、この車中の人となれたら何と幸せなことか・・・などと感じながらシャッターを押していました。

このブログは私の闘病中の状況と、関連する情報、時々感じる雑念を「つぶやき」としてお伝えするだけのものですが、よかったら気が向いた時に時々尋ねてくれたらうれしいです。

今年もよろしくお願い致します。