2008年5月8日木曜日

血液の新型分析装置

毎日イレッサを服用している関係上、2週間に1度がんセンターで定期健診を受けている。

先日電子カルテのことに触れたが、その他にも患者の立場から以前に比べて格段に進歩したことがたくさんある。そのひとつが血液検査であろう。定期検診で患者の状態を把握するのに血液検査は欠かせない。

定期検診で診察の前に必ず採血とレントゲン撮影を行う。看護師さんが「今日は2本採ります」とかいうのだが、その時の検査項目によって小さな試験管が2本だったり、3本だったりする。採血が終わると、看護師さんはその試験管のようなガラス管をそのまま後方にある検査器にかける。検査は自動で行われるらしく、しばらくすると医師のモニターで血液検査の結果を見ることができる。この病院では入院している場合には、病室のモニター(テレビ兼)でも検査結果を確認できる。

これができるのは血液を簡単にしかも正確に分析できる自動器械のおかげだろう。以前は当然化学分析を人手で行っていたので、結果が判るまでには何日もかかっていた。

昨日ネットを見ていたら、ノーベル賞を取った島津製作所の田中耕一さんの記事が出ていた(こちら)。
 
従来型の数十倍の感度でたんぱく質を分析でき、がんなどの早期発見につながると期待される新型分析装置の試作機を初公開し、秋ごろから内外のがん研究機関などに貸し出し、「万病診断」の実現に向けた実証実験を始めるそうだ。

試作機の能力アップや費用の削減が現在の主な課題だという。

2002年のノーベル化学賞受賞後に5年先の目標として語った「血液1滴から様々な病気を分析出来る技術」について「人間の体内はもっとシンプルだと思っていたが認識が甘かった。実現にはあと5年かかりそう」と述べたという。

血液1滴ならば、腕に注射針を刺さずとも耳たぶから採血すればすべてが済むことになる。そうなれば定期的に病院を訪れる患者にとってはとてもありがたいことだ。

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