2008年5月13日火曜日

新しい日中関係

中国の胡錦濤国家主席は奈良の法隆寺や唐招提寺等の訪問を最後に5日間の異例の長い滞在を終わって先週帰途に着いた。

胡錦濤主席は代々の主席と比べて、実に温和で誠実そうな印象なので、テレビで見る人は良い印象を受ける人が多い。報道は概ね好感を示してはいるが、「微笑み外交」の裏に隠された不気味さをひと言付け加える報道が多いようだ。

最後の訪問地、奈良の法隆寺や唐招提寺は約1300年前に聖徳太子や中国から来た高僧鑑真和尚が尽力した史跡で・・・日本と中国は何千年という気の遠くなるような永い期間の結びつきがあることに思いを馳せる人が多い。

永い間には良いことばかりではなく、中国が元寇で日本に侵略しかかったり、逆に日清戦争や日中戦争では日本が中国を侵略した。永い付き合いをしていると、蜜月期間があったり、険悪な喧嘩状態があったり、人の友達関係と全く同じことが起きるのはやむをえないことか。

私個人としては、父の仕事の関係で昭和17年に瀋陽市(当時の奉天)で生まれたので、中国に対しては複雑な感情がある。3歳のときに引き揚げたので、殆ど記憶はないが、関口知宏の「中国鉄道大紀行」で最近の街の風景を見たりすると、生まれ故郷への特別な郷愁を感じる。

その後、10数年ほど前に仕事の関係で北京と上海を訪れた。発展途上とはいえ、まだ国民服の人が街を往来し、車よりも自転車が多いことを記憶している。最近テレビで見る中国の街々の発展振りはまるで別の国を見るような変わりぶりで驚くばかりだ。

「ジャパン アズ №1」などともてはやされたバブルの時代から見れば、どんどん国の評価が落ちていく日本に比べて、今や経済で世界を席巻する勢いの中国。

国は引っ越すわけにはいかないのだから、これからもお隣同士であることに変わりはない。お互い張り合うよりはお互いの良い点を生かしあった「新しい日中関係」を築いてもらいたいというのが本音である。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

中華思想という文化がある限り、仲良くはなれない(なりたくない)国ですね。
新しい関係を築くには、曖昧さは排除しなくてはなりません。毒餃子問題も曖昧に放っておかずにキチンと解決して欲しいですね。

tamy さんのコメント...

れいさん
現実はれいさんと同意見が大半でしょうね。
先日の福田首相も何一つ主張をしなかったので、「ガス田」も「毒餃子」も「チベット問題」もすべて中国の思いのまま・・・と彼らはほくそ笑んでいることでしょう。
パンダなんかに喜んでも、これも得をするのは中国ばかり。

益々巨大化して尚且つ狡猾な中国に対して、何か手を考えなくては日本は属国にされそうで、怖いですね。

匿名 さんのコメント...

tamyさん、東にアメリカ、西に中国と日本は大国に挟まれて、大変ですね。上手く立ち回れば日本の生きる道も浮かんできますね。しかし、円の力が相対的に衰えてきていますので、日本の経済も下降線を辿っていますね。ニュージランドのドルが80円を超えましたね。ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、いずれも100円を超えてきました。7,8年前は10円以上低かった外貨が高くなってきましたね、日本にとっては苦しい時期が迫っていますね。

tamy さんのコメント...

大さん
経済で生きた来た日本、経済が弱くなると心配の種が次々と湧き出るように出てきます。

それに加えて、政治の混迷。この辺で強力なリーダーシップを持った政治家が現われて、日本を良い方向に導いてもらいたいものです。