2008年5月18日日曜日

DICE-K2.0

松坂は無傷の7連勝、今年はヒヤヒヤさせてくれるが、それでも何とかレッドソックスの大黒柱になり、ボストンファンにも受け入れられているようだ。

でも、昨年は松坂の試合は殆ど放送されたが、今年は実に中継が少なくて不満だ。大リーグには今年は移籍した日本人選手が多すぎるせいか、放送が分散してしまって放送の予定が立たないのか。

先週、米スポーツ専門有線テレビ局『ESPN』のウェブサイト『ESPN.COM』が、北海道日本ハム・ダルビッシュ有投手の特集記事をに関するニュースDICE-K2.0は今の日本のプロ野球の現状をアメリカ側から掘り下げて解説していて面白かった。

局の取材陣が3月中旬に札幌を訪れ、ダルビッシュ本人を取材。記事の前半では、彼がメジャーに挑戦するのかどうかといったテーマに振れながら、千葉ロッテのバレンタイン監督や元日ハムを一流チームに育て、現米大リーグ・ロイヤルズ監督トレイ・ヒルマン監督らがダルビッシュのポテンシャルの高さを証言する構成となっている。ポスティング移籍時の落札金は7500万ドル(約79億円)と試算という点が日本のスポーツ紙に大きく取り上げられているが、メインテーマは、彼の移籍よりむしろ、日本野球の将来にもフォーカスが当てられ「ダルビッシュがいなくなったら、どうなるのか」と問いかけている点が興味深い。日本語訳も付いているので、野球好きの方は一度読まれることをお勧めしたい。(こちら

日本ではあまり知られないが、かつて、アメリカにはメジャーリーグのほかに黒人選手だけのニグロリーグがあったそうだ。ジャッキーロビンソンというリーグトップレベルの選手がメジャーリーグに行って、他のスター選手がそれに続き、さらにミドルレベルの選手も続いた。その結果、ニグロリーグが消滅につながってしまったという歴史がある。

バレンタイン監督は今の日本のプロ野球の状況をそのニグロリーグの歴史にたとえて次のように心配する。

「MLBはその状況を理解すべきである。なぜなら野球はアジアにおいて大切な文化。有能な選手だけを奪ってはいけない。MLBがすべきことは、野球が世界中で発展すること。アメリカの一部のフランチャイズだけが発展することではない」

プロスポーツはビジネスなので、弱肉強食の世界ではあるが、自分達が長期繁栄を望むなら、そろそろ国の枠を超えて関係者が手を結んで世界規模の大きなビジョンで再編成する時期がきそうだ。

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