2008年10月30日木曜日

退院延期

今日の朝一の採血の結果が良ければ退院の予定だった。
ところが、結果が良くなくて入院延長となった。

 白血球 3,230、好中球 835

思うようにいかないものだ。前々回(10月20日)の悪い結果に逆戻り。ただ、過去のデータに同様な数値はあったので、ばらつきの範囲なのか、薬の副作用なのか判断はつかないので、薬の服用は続ける。明らかに薬のせいで白血球、好中球が極端に下がれば治験の継続を断念する。

二者択一の2案。ひとつは今日予定通りの退院も可能。但しその場合はさらに白血球低下の際の感染に十分注意(万一に備え抗生剤を持参したり、緊急時には病院に連絡または通院する)。もうひとつは入院を延長する。二者択一だったが、入院延長をお願いした。

白血球は下がっても自覚症状がない。退院しても治験薬の服用は続けるので、さらに白血球が下がっても自分では分からないという不安がある。病院にいれば、仮に体内に異常が起きても安心はしていられる。

取り敢えず、退院については明後日に改めて採血してその結果で決めるという結論になった。

2008年10月29日水曜日

ファイトケミカルが白血球の救世主?

今日は入院して8日目、治験薬を飲み始めて7日目になる。
今までのところ表面に現れる副作用らしき現象は見られない。心配は白血球、好中球の減少だが、これは明日朝に予定されている採血で分かる。

明日の採血で異常がなければ退院する予定になっている。

今日、デイルームで同じ患者の人と談笑していて面白い情報を聞いた。肺がんⅢ期で抗がん剤治療をしている人だが、白血球が下がって今治療を中断しているという。「ある本を読んだところ、何種類かの野菜を煮出した煮汁を飲むことでガン患者の白血球が上がったるという実績があるらしい・・・自分も試そうと思っている」というもの。

その本の名前も、内容も曖昧なので探しようがないのだが、気になる情報なので、部屋に帰ってネットで検索をしたところ、「がん発生を抑え、免疫力を強化する知られざる植物パワー、ファイトケミカル。野菜や果物の強力な抗がん作用に注目!」という記事にヒットした。(こちら

この記事がその人の情報と同じかどうかは分からないが、記事を読んで見ると今まで聞かなかった内容なので何となく気になる。

この記事の中心はファイトケミカルという耳慣れない成分。これは野菜や果物の細胞内に含まれていて、抗がん作用があるという。

ファイトケミカルは硬い殻に囲まれているので野菜サラダ等では体内に摂取しにくく、煮出すことで摂取しやすくなる。筆者の高橋さんが提唱するファイトケミカルスープの作り方は簡単そのものだ。まずキャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャを煮出したスープを保存し、毎食時に飲用するというもの。

高橋さんがその効果を試すため、6人のがん患者に2週間、毎日、200ミリリットルずつ飲んでもらったところ、平均で白血球が143(±46)パーセント、好中球が170(±76)パーセント、単球数が163(±106)パーセント、リンパ球も125(±35)パーセントにまで増加していたという。

簡単すぎて「本当かいな」とも思うが、それでも白血球、好中球の減少に悩む自分としては、この情報は目の前にぶらさがる「わら」に見える。すぐにもすがりつきたくなる。それに試そうというのが野菜だから、薬にはならなくとも、少なくとも毒にはならない。

家内に話せば笑われそうだが、退院後には試して見ようと思っている。

2008年10月25日土曜日

百匹目の猿現象?

再入院してから始めての土曜日がきた。今日と明日は病院も医師の先生方も休みで、見舞い客が一気に増える。何となく休日ムードでのんびりした雰囲気になる。

治験薬の服用を始めて、今日で3日目になる。今のところ何も変化は現れない。今まで経験した抗がん剤の副作用は大体は1週間前後で現れることが多かったので来週の後半位から要注意だ。

それにしても、新聞やニュースを見ていて、今日この頃の世界恐慌前夜といった状況にはただただ不安になるばかりだ。円高は米ドルから始まって、ポンド、ユーロ、超優良といわれたスイスフランにまで広がっている。これから世界は、そして日本はどうなってしまうんだろう。米ドル中心のグローバル経済であることが、ただ連座しているだけの日本にもこんな大きな被害をもたらすというのは予想以上のことだ。その心理的背景には「百匹目の猿現象」も大いに影響しているのかもしれない。

大分以前「百匹目の猿」のお話がテレビなどでも取り上げられ、かなり有名になったことがあった。それはシェルドレイク(英ケンブリッジ大学の教授)の仮説と呼ばれていた。

「百匹目の猿」のお話とは以下のようなものだった。

宮崎県幸島に棲む猿達に餌付けをしていたところ、一匹の若いメス猿が泥だらけのサツマイモを川の水で洗って食べるようになった。

そして、それを見ていたその島に棲むほかの猿達もまねて、まさに「猿マネ」よろしく、サツマイモを川の水で洗って食べるようになる。

あるとき川の水が枯れてしまい、困った猿達は、こんどは海の水で洗って食べるようになった。海の水のしょっぱさがほどよかったのか、猿達は「海水でイモを洗うと美味しくなる」ことを発見したようで、一口かじってはまた海水にイモをつける、ということをし始めた。

ここまでであれば、ただの「群れでの学習」だが、この新たな猿のイモを海水で洗うという行為が、不思議なことに、幸島以外の海を隔てた他の島の猿達にも、まったく同じ時期に広まったのだそうである。

この話が事実かどうかについては疑問符も付くようだが、このように「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という現象を「百匹目の猿現象」と呼んで、実際にこのような現象は時々見られるようだ。

連日のニュースを見ながら、そんな話を思い出していた。

2008年10月22日水曜日

1日おいて再入院

20日に好中球不足で退院となったが、その後1日置いて今日が最初の通院日だった。何のことはない、今日の採血で一発合格となった。こんなことなら20日は退院しなければ良かった・・・といってもそれは結果論、取り敢えず急遽入院して(入院の支度はしてくるようには言われていた)明日から治験をやることになった。

今日の血液検査の結果は  白血球5,450 好中球30.6%(1,668)
好中球の率には問題があるが、白血球数が増加したことで好中球の数は合格ラインの1,500を越すことができた。

早速、血液検査(さらに詳しい)の他にも尿検査、心電図、CT撮影が行われた。

前回の入院では白血球の低下で悩まされていた。担当の看護師さんと雑談した中で「白血球を増やすような食べ物とか、方法とかはない?」と聞いたことがあった。
良い答えはないことを承知した上での質問だったが、案の定これといった正解となる答えはなかったものの、その中にひとつだけ良いヒントがあった。

それは「採血の前に運動をすると、多少は上がる」というものだった。これは自分の勝手な想像だが、運動をすれば血流が促進される。そうすれば血液が手足の先まで勢いよく循環されることで、白血球の数値も多少上がることがあるのかもしれない。

入院中経験したことで定期的に血圧を計る際、歩いた後などに計ると血圧が高かった。そして朝の起きぬけなどに測定した時は血圧が低かった。どうも血圧と白血球数は因果関係があるような気がする。

20日の採血では白血球が下がっていた。通常は大体起きて1時間ほど過ぎた時に採血することが多いが、その日は起きてすぐに採血した。

そして今日の採血もその前に駐車場から階段を降りたり長い距離を歩いたりした後の採血だった。

これから白血球を上げたい時(多少であれば?)には採血の前に歩き回ったりすると良いのかもしれない。

2008年10月20日月曜日

残念な一時退院

今日は朝一番で治験に必要な血液中の白血球、好中球を調べるための採血が行われた。

採血から1時間ほどしたとき、主治医の先生が病室に見えた。
結果は下記の通り、前々回よりは良いものの、前回の数値よりは悪く残念ながら今回のデータは不合格ということになった。(合格は好中球が40%か1,500以上)
 白血球3,690 好中球34.2%(1,262)

原因は先生にも分からない。直近の2回はバラツキの範囲かもしれない。
このまま血液測定のためだけに入院していても仕方がない。今日はいったん退院して、通院で何度か採血して数値が合格ラインに達すればその日に入院しようということになった。

ということで、次は22日(水)に来院することになった。

白血球の数値は以前から低目ではあったものの、これほど低くはなかった。何度かの抗がん剤の副作用で結構過酷な骨髄抑制があったので、その影響が残っているものか、あるいは他の薬剤の影響があるのか、何ともいえないがこれからもどの抗がん剤をやっても白血球や好中球には頭を悩まされそうだ。

今回の治験も家内や娘達は残念がって慰めてくれるが、本人は意外とそれほど応えていない。というのも今度受ける治験薬も抗がん剤に変わりはない。その効果には期待があるが、その副作用にも期待と同じくらいの不安感を持っている。どちらに転んでも「運命」なのだろう。ただ、受けた結果で副作用で断念するならまだ諦めも付くが、受ける前から不合格というのは何となくスッキリしない。

治験薬も受けられる時間は限られるだろうが、これから何度かの採血の間には好中球が正常に戻ることに期待したい。

2008年10月16日木曜日

白血球やや改善

今日は雲ひとつない秋晴れで最高の天気だ。今回入院した部屋は前回と反対側の南向きの部屋なので朝日が燦燦と差込み、カーテンをしめないと暑いほどだ。

この病院では北向きの部屋は富士山が、南向きの部屋は駿河湾が見渡せる。先ほどまで穏やかな空気の中、しばらくぼんやりと駿河湾と沼津、三島の街を見下ろしていた。

さて、先日の血液検査で白血球と好中球が減少していたので予定通り治験の服用ができないでいたのだが、今日再度血液検査を行った。

9時半ごろ担当の先生が病室に見えて検査の結果を説明してくれた。
その結果白血球は4,000、好中球は33.7%だった。

服用薬をやめたことで、白血球が3,190から4,000に上がって正常範囲になった。
ただ、好中球がまだ40%になっていないので、治験の基準には達せず、すぐ服用はできない。

白血球の減少原因は他の薬(前立腺の薬)の副作用である可能性があるので、服用をしばらくやめれば数値が正常に戻る可能性がある(この薬を服用する前は正常だった)ので、月曜日に採血してその数値を見てその後どうするかを判断することになった。

一旦退院して通院で血液検査をする方法もあるので、どちらにするか聞かれたが、入退院の手続きも結構面倒なので、このまま病院にいて月曜日の採血の結果でどうするか決めることとした。

同じ治験薬を先行したアメリカの治験での副作用に「好中球減少」があるので、やや心配もあるが、それを恐れていては抗がん剤そのものを諦めることになるので、やれる所まで挑戦するつもりでいる。

なお、この薬を飲むようになるのか、中止になるかどうかは今の時点では不明だが、挑戦の記録を別項(tamyのつぶやきトップページ上段のメニューに「闘病記・治験」)に記しているので関心のある方はご覧ください(こちら)。

2008年10月14日火曜日

治験足踏み

10月8日に決まったように今日10時に治験のための入院をした。

この病院は5年前の外科手術から始まって、何種類かの抗がん剤の都度入院しているので何の緊張感もなく入院できる。病室は〔555号室〕とまるでフィーバーのような良い番号の病室だった。これは幸先が良い・・・と思ったが、そうでもなかった(後述)。

入院すると、いつもの通り身長体重測定や血液、尿、レントゲン撮影などのひと通りの測定が行われた。その他に今回は治験のための心電図測定が行われた。

予定通りならば入院翌日から治験薬服用が始まるのだが、午後先生が病室に見えて、午前中の検査の中に問題があったとの説明があった。

それは今回白血球の数値が減少していて、その数値から計算する好中球が基準値1,500に達していないという。この数値では明日からの治験薬の服用はできない。

そういえば私の白血球は元々低い方で、通常でも下限ぎりぎりの4,000の少し上のことが多いが、それでもここ何ヶ月か基準値を下回ったことはない。ところが今日測定した白血球は3,190と最近になく下がっている。

原因はよく分からない。飲み薬(前立腺関係の薬を飲んでいる)のせいか、風邪などのウィルスのせいか・・・。そういえばここのところ陽気が寒いせいか、昨日少々風邪気味だったので夜寝る前に市販の風邪薬を飲んだ。

一応処置としては今日から今まで飲んでいる飲み薬をやめて木曜日にもう一度血液検査をすることになった。その結果を見て白血球(好中球)が基準値を満たしたら治験薬の服用を開始する。それを満たせない場合は一旦退院をする。

白血球が戻らなければ治験薬の服用は諦めることもありうるかもしれない。治験に対する期待は半信半疑なので絶対的なものではないが、むしろ通常の状態での白血球の低下の方が厄介かもしれない。度重なる抗がん剤の副作用で身体のバランスが崩れた結果であればそちらの方が問題かもしれない。

2008年10月9日木曜日

定期検診 治験挑戦が決まる

昨日10月8日は定期検診だった。
がんセンターの駐車場は300台収容なので、何年か前まではいつ行ってもゆったりと停められたが、最近は午前中のピーク時はすぐ満車になってよく待たされる。そのために診察時間に遅刻したりすることがよく起きるせいか、駐車場を2階建てにすることになり、今月からその工事が始まった。

そのため今までの駐車場は半分のスペースになって、少し遅くなると近くの臨時駐車場へ回される。これが大変、なにしろ病院自体が東名高速道路のすぐ下の山岳地に建っているので、この臨時駐車場も裏の山の上にあり、距離が遠いだけでなく、階段を何段も登らなければならない。

下りはいいが、帰りはやっとの思いで臨時駐車場にたどり着いた。手術で右肺の一部を取っていて肺活量が減っているので、息が浅くなって以前より少しの運動で息苦しい思いをする。普段は全く意識することはないが、こんなときに肺を手術したことを自覚する。今は天候が良いので程よきトレーニングになるが、真冬や真夏、悪天候のときは少々応えるかも。

●血液検査 すべての項目が正常範囲内におさまっている。
●レントゲン撮影 前回の映像との比較では変化なし。

前回の定期検診のときに治験薬への挑戦を決めたが、次のグループに入るまでに何十日か待つ予定だったが、急遽10月14日入院で開始できるとの説明があった。今のグループの人の都合で空きができたのかもしれない。

治験の期間はほぼ1ヶ月で、その間毎日薬を飲み続ける。最初の1週間強入院して薬の効果と副作用をチェックする。その後は定期的に2~3日の入院が2回予定される。
副作用が強い場合はいつでも途中で中断できる。また効果があるという場合は希望によってその薬をその後も継続して飲み続けることができる。

「正と出るか邪と出るか」己の運を賭けてみることとする。

2008年10月2日木曜日

バナナ難民

タルセバをやめて、その成分が身体からすっかり抜けたせいか、最近すこぶる体調がよい。
がん患者が抗がん剤をやめたから体調がよいというのも皮肉な話だが、それだけ抗がん剤の副作用は強烈だという証拠だろう。次の服用まではがん細胞にはとにかくおとなしくしていてもらいたい。

昨日も家内と外食し、帰り際買物をしたいというので一緒にスーパーに寄った。ところが、毎日買っているバナナが売れ切れである。もう一軒別のスーパーに寄っても同じだ。どこのスーパーへ行ってもバナナ売り場の底が見えるというのは未だかつて経験がない。

私は大分前には朝食はバナナとヨーグルトと決めていた。メタボ対策で最近また始めようかと思ったが、ここのところ家内がそのバナナを手に入れるのに苦労しているようだ。正にバナナ難民だ。


原因はご存知のように「朝バナナダイエット」が大流行しているせいだ。この本は渡辺仁氏(31)が薬剤師の妻とともに朝食をバナナと水で済ませる「バナナダイエット」を考案、「ミクシイ」内で公開していた日記をもとに刊行したのだそうだ。
現在までに何と累計70万部を売り上げというからすごい。その後何回かテレビで取り上げたことで全国で大ブームを起こしたようだ。

この本は韓国や台湾でも出版され、韓国・ソウルでは、最大手書店で翻訳本がジャンル別売り上げの1位になるほどの評判というから、今やダイエットばやりは日本だけではないようだ。

バナナは輸入品だから、売れ行きが上がったからといって、急激に供給量を増やすというわけにはいかないのだろう。

そういえば納豆も寒天もかつてそんなことがあった。日本人は(自分も含めて)「これは良い」と聞くとすぐ飛びつくが、飽きるのも早い。1ヶ月も経てば、陳列棚にバナナが山盛りになることは間違いない。これでは次から次へダイエット本が売れるわけだ。