2007年4月15日日曜日

高額療養費は入院時期によって変わる?

4月4日に「高額療養費の現物給付化」を書いたところ、健康保険の分かる人から「間違ってはいないけど、数字が古いよ」と指摘をされた。2006年10月から式の数字が改正(改悪?)されていて、私の使った数字はその前のものだという。

私が入院した当時調べた3年前の数字は変わっていたのである。4日のダイアリー中の数字はその後すぐに修正した。

どういうふうに変わったかというと、式の中の赤い数字が以前より大きな数に変わった。具体的には実例に上げたケースの医療費がかかったとすると①上位所得者の場合で約10,000円、②一般の場合で約7,500円患者負担限度額(自己負担)が増える。いい換えると、高額療養費の戻りが少なくなる。

高額療養費の話が出たついでに、私が入院したときに高額療養費について「」と思ったことがあった。健康保険のことを分かる人なら当然のことだが、意外と知らない人が多いようだ。

突然ですがここで問題です。下のAさんとBさんの2つのケースで高額療養費は同じ?またはどれだけの差になるでしょうか?
入院期間が20日間の次の2つのケースの場合 (入院中の治療内容はまったく同じとします)

Aさん 3月10日入院、同月29日退院(入院20日間)医療費534,000円(自己負担30%160,200円)だった場合。
Bさん 3月20日入院、4月8日退院(入院20日間)医療費はAさんと違って2ヶ月に分かれるが、合計金額はAさんと同じ(自己負担3月80,100円、4月80,100円)だった場合。

答えはAさんは高額療養費により77,430円の戻り。Bさんは戻り金はありません。

支払う金額は同じなのに、なぜ戻る金額が違うかというと、健康保険の計算は1ヶ月単位で計算し、毎月末で締めて月ごとに清算するからです。Aさんは3月末に締め切ると全額が1ヶ月の中に入るので、高額療養費の患者負担限度額以上の払いになるのに対して、一方Bさんは3月分と4月分に分かれて、それぞれが患者負担限度額の範囲内に入ってしまうので、高額療養費の対象になりません。

つまり、入院時期によって高額療養費が大きく変わることがあるということ。通常は入院時期は患者の病状や、病院のベッドの空き具合で決まるので自分で選ぶことはできない。でも、入院を急ぐ必要がなくて、患者が入院時期をいくつか選択できるような場合はできるだけ月をまたがずに同じ月内に入れるか、または月をまたぐ場合でも片方を長くなるようにした方が高額療養費の上では有利になる。

入院時期を費用の点で選ぶというのは躊躇するところだろうが、上の例のように1回の入院で77,430円も違うんだったら、このことを頭の片隅においておいた方がよい。退院後に夫婦でちょっと贅沢な温泉旅行に行ける額になることがあるんだから・・・。

ついでに高額療養費を計算するときの注意点
(1)暦ごとの計算(月の1日から月末まで) であること。
(2)医療機関ごと(診療科ごと)に別計算。
(3)同じ医療機関でも医科と歯科は別計算。
(4)同じ医療機関でも入院と通院は別計算。
(5)保険診療の対象とならないものは除く(差額ベッド代や入院中の食事代等) 。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんなに医療費が月別で別れるなんて、全く知りませんでした。月が変わるとなぜ支払いの合計額が計算に変化をもたらすのか甚だ不思議ですね。Aさん、Bさんの支払い合計は同じなのに、払い戻し額が変わるというシスステムは誰が考えたものでしょうかね。なんか、姑息な考えが垣間見えるようですね。勉強が足りませんでした。世の中は無知な者が損をするようになってますね。

tamy さんのコメント...

大さん、入院するような大きな病気になったとき、一般的には費用のことまで気が回りません。でも、後で考えて後悔したりするんです。また知らなければ後悔もしないのでそれはそれでよいのですが、頭には置いておいたほうが得をする場合があるようです。