2008年4月8日火曜日

ハンフリーさんの俳句集

いつも私のブログに書き込みをしていただくハンフリーさん(「after you`ve gone」当サイトとリンク)。句集ができたから送付したいとの申し出を戴いたので、お言葉に甘えて早速メールを差し上げてご送付いただいた。

ご自身のブログにも披露されているので、俳句がご趣味のことは承知していたが、送付いただいた句集「花林」を拝見して、本格的に句を詠まれていることを知った。

残念なことに私自身が俳句の世界にまるで疎くて、その価値が判断できないので申し訳ないのだが、素人なりに一つ一つの句からその時々の背景が読み取れてわが身と照らし合わせて共感することが多い。
たくさんの句の中から私が好きな句を一部だけ紹介したい。

点滴チューブの半径に食って寝る

僧形は仮の姿ぞ点滴器

白血球戻らぬままに四月尽

点滴の視界はるかに花吹雪

どの句も、患者としての心境をよく詠んでいる。選者が批評の中で、「ハンフリーさん(実際は俳号)は通常は各句に季語を織り込み、十七音にきれいにまとめるが、この時期の句はいずれもその基本からはずれていて、治療という極限状態の中から搾り出された真の声を映し出している」と書いている。

私も昨年の今頃は抗がん剤を点滴するため、何度か入退院を繰り返したのでそれぞれの句を詠むときの気持はよく理解できる。

一時副作用で毛髪が抜け、坊主頭になったが、父の日に娘がプレゼンドとしてくれた作務衣を病院で着たときには、清掃のおばさんに「失礼ですが、お坊さんでしょうか?」と聞かれた。毎日の日課は点滴に耐えることと、極端に下がった白血球の数値とのにらめっこだった。

これらの句を読むと、病気で苦しんでいるのは自分だけではないということに共感を感じて慰められる。同時にどんな環境にあっても、このような没頭できる世界を持つということは意味のあることだということも感じる。

今回の句集は昨年に時期を限っているので、ハンフリーさんの句は治療中の苦しさのみを詠った句ばかりが集められているが、次の句集には病気か治癒して、日常の楽しさやうれしさを詠った句集を見てみたい・・・と願う。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 TAMYさん
 ハンフリーです。

 早速ご紹介、感想をいただいてありがとうございます。
 俳句の世界もガンと一緒で個性的な面があって、仲間内でも人のことを言いにくい傾向があります。

 俳句に親しむ機会になれば望外のよろこびです。

 ブログにアップしたようマーカー改善はホントのようです。

 楽しい句が書けるまで回復したいものです。

tamy さんのコメント...

スタンレーさん
ガンで点滴治療をした人なら、皆同じ感想を持つと思います。多分この句を読んで、「自分と同じだ」とつぶやいている人がたくさんいますよ。

没頭できる世界を持たれていることは、治療にはとても有益なんだろうと思います。

匿名 さんのコメント...

8日付のスタンレーはハンフリーです。
よろしく。

tamy さんのコメント...

ハンフリーさん
どこでどう間違えたのか、すっかりスタンレーさんになってしまいました。

ハンフリー・ボガード大好きな俳優だったので、この間までそれに関連付けておぼえていたんですが。

失礼を致しました。