2007年10月10日水曜日

がんばれ!ヤンキース

私が高校生の映画少年だった今から50年前、「くたばれヤンキース」という映画があった。物語は野球ファンのある老人が悪魔と契約してものすごい強い選手に生まれ変わり、弱小球団に入団する。強いヤンキースを次々に打ち負かすという他愛のないミュージカルコメディだったが、結構面白かった。とにかくその頃は強い、強いヤンキースだった。

また、つい最近でもクリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」で、太平洋戦争中日本軍のいる硫黄島を攻略するために丘に星条旗を立てた兵士が国内に凱旋し、ヤンキースの選手が居並ぶ満員のヤンキースタジアムに登場して喝采を受けるというシーンがあった。縦じまのユニフォームやNYのロゴマークは今と同じだった。

ヤンキースは常に強いアメリカの象徴だという印象がある。ところが最近は7年連続でワールドシリーズ制覇を逃し、3年連続で地区シリーズでの惨敗というちょっと情けない状態だ。今年も地区シリーズでさえ優勝を逃し、やっとワイルドカードでプレーオフへ進出したが、それも第4戦で敗退してしまった。

10日の日本のスポーツ誌には「ヤンキース、松井放出か?」などというタイトルが目立つ。アメリカの新聞ではトーリ監督の去就が話題になっているようだが、監督が変わればトーリ監督に評価されて選ばれていた松井は来期はあやしいということのようだ。9日放送の最終戦で5回2死一塁の第3打席。松井秀喜は初球を簡単に打ち、平凡なショートフライに倒れた。そしてその直後、ブーイングがヤンキー・スタジアムを包んだ。今年の松井は派手さはなかったけれど、チームのために献身的に活躍したように思う。おそらくそのブーイングは、インディアンスの前に敗色濃厚だったヤンキースのチーム全体に向けられたものだったのだろう・・・と思いたい。いずれにしても、今年のヤンキースを表す象徴的な光景だった。プロスポーツは結果がすべての厳しい世界であることを思い知らされる。

ヤンキースはチーム作りにダントツの200億円以上の大金を費やしているという。にもかかわらず、昨季はタイガース、今季はインディアンスという低予算の格下チームを相手に、あまりにも完ぺきな形で敗れてしまった。
例年ヤンキースの敗戦は株価に影響するという。今年は敗戦でその株価が動かなかったということが話題になった。ヤンキースの再生は避けられないだろうが、今年ケガに悩まされた松井や、もう一つ調子が出ない井川には登場する機会はあるのだろうか?地球の反対側で見ている日本のファンのためにもぜひ日本人選手を参加させてもらいたいものだ。

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