2007年10月27日土曜日

技能五輪国際大会

地元での40年来の友人がいる。まだお互い20代の若者だった頃、一緒に英会話の勉強をした時期があった。今のようにいろいろな英会話スクールがなかった時代だった。やがて飽きっぽい私は落伍し、根気強くて勉強家の彼は今だに続いている。今では彼は普通に外人と会話ができるようになっており、市へ登録して外国からのお客さんが来るとボランティアで通訳をするまでになっている。彼とは今でも毎年何回か会って食事をする。

ところが、その友人が今年に入ってからとても忙しそうにしている。よく聞いてみたら、「第39回技能五輪国際大会」が来月地元沼津市で開催されるからだそうである。そのため沼津市に50カ国からたくさんのお客様が来るのでボランティアとして準備のお手伝いから運営まで関わるので大忙しなのだという。

「技能五輪国際大会」は一般にはあまり周知されていないようだが、結構大きい行事のようだ。1950年にスペインで第一回が開催されてその後2年に一度開催されていて、今年静岡県が開催地となっている(こちら)。

かつて、日本が高度成長に入る時代には技能五輪の話題はよく新聞紙上を賑わした。日本は技術立国の色合いが強かったので、海外の国際大会で評価されることは若者達の大きな励みになった。フライス加工で誰それが金メダルを取った、旋盤で誰それが銀メダルを取ったと写真入りで大きく報道された。そしてその年代の人達が日本の技術立国を支えてきた。

時代が変るにつれて、今の若者達は工場現場で油にまみれることに魅力は感じなくなっているようだ。どうしても工場は3Kのイメージが強く、ITとか金融とかこぎれいな第3次産業が人気のようだ。

私などは日本の立国の基礎である物作りが軽んじられる傾向を憂いているので、そういう意味ではこの種の行事の持つ意味は大きい。地元では街のあちこちに関連する表示があるのが、全国的にはあまり報道がないので、周知されていないかもしれない。

できることなら、このような行事を通じて物づくりの魅力を感じる若者が一人でも増えてくれるとありがたいのだが。

3 件のコメント:

lazarus さんのコメント...

職場でも、中堅の世代が抜けています。
若者は、技術を習得すると、転職したりして、会社を後にします。
中高年は、主要ポストが獲得できないと、
3Kか退職を余儀なくされられます。
管理化が進んできて、物造りの人員が育ちません。
昨日は、私のかかわっている部門に社内から、時間がかかりすぎているという通達と
事情を聞かれました。
私は、『誰が、どの工事の仕事で時間がオーバーになっているか、具体的に、がんの告知の時のように、告知してください。』と具体的な内容の開示を求めました。
社内でも、赤字のたらい回しですよ。!(^^)!
英語力は、20代できちっと勉強しないと効率が悪いですね。若いときに、海外駐在の仕事がありましたが、チャンスを逃した苦い経験があります。
(~_~)

匿名 さんのコメント...

lazarusさん
製造工場はコストの安い中国やインドへ移り、今では経理や総務などの事務部門までが中国へ移ってしまったら、日本の会社は何をすればいいんでしょうね。
これからの経営者は益々手腕を問われることになりますね。

匿名 さんのコメント...

そうですね。どこかで、おかしくなり、
格差が一段と進みそうですね。
これからは、質素な生活になじむようにしなければと考えますが...。