2007年10月11日木曜日

がん患者にはちょっとうれしいニュース2つ

直近の「情報スクラップ」のニュース(こちら)に「がんワクチン」と「エルロチニブ承認」のニュースがあった。現時点でガンを抱えている患者にとっては新しい医療技術や薬剤のニュースは砂漠でオアシスを見つけたようなうれしさがある。近づいてみれば期待したような水のないオアシスかもしれないけど、この期待は死ぬまでなくなることはない。

最初の「がんワクチン」のニュースは東京大学医科学研究所の中村裕輔教授のグループが開発し、かなりの確率で効果があったというものである。今年の日本癌学会で発表され、NHKのニュースでも紹介されていた。私は専門家ではないので詳しい原理は分からないが、ガンの目印になるような物質を体に入れることで患者の体の免疫細胞に「こういう悪者が体内にいるから、やっつけろ」という指令をすることによって患者の免疫細胞がガンをやっつけるように仕向ける薬のようである。免疫療法は体内の免疫細胞を取り出して培養してまた体内に戻すという大変な作業を伴うが、ワクチンであれば注射(または点滴)をするだけなので簡単に治療でき、将来有望な方法のように思える。まだ実用化には数々の難関があるようだが、実用化すれば今の抗がん剤に替わる化学療法になるのだろう。成功が待たれる。そしてノーベル賞につながるような現実的な研究になればよいが・・・。

もう一つの「エルロチニブ承認」のニュースもうれしい。エルロチニブはタルセバという名称の方が通りはいいだろう。7月27日と30日に承認のニュースが出ていたが、その続報である。どうやら年内には販売されそうだ。

これはイレッサと同じ種類の分子標的薬で、以前からアメリカから輸入して使用していた患者さんもいる。保険適用がないと、1錠12,000円ぐらいしていたと思う。毎日飲む薬なので、保険が適用されないと経済的に使えない患者の方が圧倒的に多い。国内での販売価格は未定であるが、イレッサ(保険適用前で7,000円台)と同じぐらいの価格で販売されるのではないかと思う。タルセバは他の抗がん剤や、イレッサが効かなくなった患者に効きやすいという実験結果があるようだ。私は今一般抗がん剤(ジェムザール)を使用しているが、ずーと使い続けられる抗がん剤があればよいが、薬剤耐性が出ることが多くなかなかない。従って次に控える薬剤の種類は多ければ多いほど心強い。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは。
がんワクチンのニュースは見ました。
完治効果があって副作用がない治療が実現できればいいですね。

匿名 さんのコメント...

れいさん
ガンワクチンの良さは正にその通りです。副作用がないという点で画期的です。抗がん剤は副作用に苦しめられ、時には命を落とすこともあるんだから・・・。

「昔は抗がん剤しかなくて、皆副作用で苦労したみたいだよ」こんな会話ができる時代が来るといいですね。

lazarus さんのコメント...

抗がん剤等は、どう考えても高い感じ。
経済的にも、格差のない平等な治療が受けられるべきですね。
国民に全員、年金のように癌保険が義務化されても良いのか、と考えます。

lazarus さんのコメント...

http://www.asahi.com/health/news/TKY200710040170.html

上記の記事も見つけました。

匿名 さんのコメント...

lazrusさん
医療技術が良くなり、薬も良くなるのは結構なのですが、医療費は上がる一方なのは困りものです。年金生活者にとっては医療費は応えます。私の場合も若いときに入った民間がん保険が命綱です。
それから情報ありがとうございます。情報スクラップに加えさせてもらいました。