2007年11月19日月曜日

混合診療

現在、日本の健康保険制度では混合診療を認めていない。つまり、保険で認められていない薬や診療方法をを少しでも使うと、その他の支払まですべてが健康保険が利かずに、自己負担になってしまうということである。これを最初に聞いたときは随分変な制度だと思ったものだ。

厚労省が混合診療を認めない理由は「安全性が確保できていない医療の誘いに患者が乗りやすくなる危険性がある。必要な医療は保険制度の下でしっかり提供していく」(医療課)ということであり、全面解禁には反対する姿勢を崩していない。

最近の薬害問題に対する厚労省の対応の仕方を見ると、よく恥かしくもなくこんな立派なことが言えるものだと感じる人が多いのではないだろうか?

世界で使われているガンの標準治療薬は約180種類ある中で、日本で承認されているのは僅かにその2割程度だそうである。つまり外国に比べると承認のスピードがとにかく遅いのである。幸い肺ガンの場合は承認薬の種類は他のガンより多いようだが、ガンの種類によっては外国で実績のある未承認薬を使いたいケースもたくさんあるようだ。しかし、混合診療の壁の前で断念する患者さんがたくさんいると聞いたことがある。

舛添厚労相は久しぶりに国民の方を向いて政治をしてくれる政治家だ(これが普通なのだが)。「基本的な原則は今のところ曲げない」と一応厚労省の立場を擁護をしながらも、「ケース・バイ・ケースで判断するようなことを考えてもいい」とし、国の審議会などに議論を求める考えも示しているようなので、期待はできそうだ。

安全性や公平性を考えれば、必要な医療は国が責任を持って保険診療で行うべきというのが原則だが、それでも一刻を争う患者が未承認薬を使いたいというのであれば、自己責任であっても自由に使えるようにすることを認めるべきだと思うのだが。

4 件のコメント:

れい さんのコメント...

混合診療の解禁には賛成ですが、無条件に認めると少しマズイかなと思っています。

製薬会社が「がん」が治る画期的な新薬を開発したとして、混合診療が解禁されていれば、その新薬を保険適用薬に申請しないでしょうね。何故なら、保険適用になってしまえば、薬価は厚労省が決定することになりますから、高価な価格がつかないからで、自由診療であればその薬の値段は、製薬会社の言い値を付けることができ、保険適用するよりよほど儲かるからです。
現在製薬会社がこれをしないのは、混合診療が禁止されているからです。

ですが、混合診療解禁後は、良い薬ほど保険適用にはならず、自費で賄わなければならないことになり、結果として保険適用の範囲が将来にわたって狭まることに繋がります。

ですから、このようなことが起らないように手を打ってから解禁する必要があると思います。

ただ、今すぐにでも自由診療薬でも使いたいという患者さんもいるでしょうから、そのような場合には何らかの特例条件で認めるなどの対応も必要でしょうが。

tamy さんのコメント...

れいさん
製薬会社の思惑と、厚労省の規制緩和の綱引きですね。
薬は患者のためにあるのだから、患者の方を見ないで暴利をむさぼる会社には天罰が下りますよ。

大 さんのコメント...

tamyさん、その通りですね、天罰が下りますね。人は皆、善人とは限りませんね。弱い者を利用し、いじめて、得をする輩が何時の世でも存在しますね。裁判に勝訴しても、行政や国が実行しませんから、いつまで経っても、悪しき慣行が改まらないのでしょう。行き着く所は国民の政治に対する民度の問題ですね。水俣病、薬害エイズ、アスベスト、血液製剤、原爆症認定、全て厚労省、国の今までの50年間同じ政党が君臨して操ってきた結果でしょう。政治家を競争させましょう。官僚を競争させましょう。明日からでも変わりますよ。みんな一票を持っています。私見で済みません、悪しからずお許しください。

tamy さんのコメント...

大さん
日本には欧米のような本当の意味での民主主義が育つ土壌はありませんね。長い間に作られた官僚に依存する社会はそう簡単には変わりません。
東大、京大等々優れた頭脳が皆官僚になるんですから。それでも最近は若い官僚は現状に幻滅して、途中退職する人が増えたという・・・こともあるそうなので、少しは将来に期待してもよいかも?