2007年10月29日月曜日

平均寿命

最近「天璋院篤姫」を読み始めたことは10月22日のブログに書いた通り。来年の大河ドラマであるこの話は幕末の徳川将軍家という私のような庶民とは縁遠い世界の話だが、読み進むにつれて江戸末期の生活習慣の現代との違いを今さらながら感じながら読んでいる。

そのひとつにその時代は現代とは違って子供が育つのが如何に大変だったかが良く分かる。主人公篤姫は薩摩の今和泉家の娘であるが、本家筋の薩摩藩主島津斎彬(なりあきら)の養女になる。島津斎彬の子はことごとく早世、長子菊三郎が1歳、長女澄姫が4歳、2女邦姫が3歳、2子寛之助は4歳、3子盛之進を4歳で亡くしている。お殿様には側室もいるので、それと併せると生まれた子供のうち、6人の男子と2人の女子が早世して育たなかった。

これは将軍家でも同じようなものであったようだ。上流階級は専属の御典医もいて、当時の最高レベルの医学で至れり尽くせりの措置が可能ななかでのことなので、庶民階級ではもっと大変だったのだろう。
将軍家や藩主などでは覇権争いによる暗殺(毒盛り)があったり、大奥の女性の白粉に含まれる鉛が乳児に与える鉛害などもあったようだが、圧倒的に病死が多かったようだ。

ところが、現代に目を移すと世界保健機関の世界保健報告2006年度版によると、現代の日本の男性の平均寿命はサンマリノとアイスランドと並んで79歳で世界一、日本の女性の平均寿命は女性86歳で単独世界一、 ちなみに、平均寿命が最短なのはジンバブエの36歳だそうだ。

日大の小林教授の研究にもとづいて作成された生命表によると、縄文時代の寿命は男女とも14.6歳、室町時代では15.2才であったという。 また長野県の宗門帳にもとづいて作られた「江戸時代農村住民の生命表」によると江戸時代の平均寿命は男子が36.8歳、女子が26.5歳であった。明治13年にようやく男女とも30歳の関門を突破し、大正に入って男女とも平均寿命が40歳を超えたのだそうだ。
歴史には長寿の人もたくさん存在する。育ってしまえば長生きする人も多いが、小児の成長がいちばん難しく、子供の早死が平均寿命を下げている最大の要因のようだ。

我が家でも、孫の話などもこのブログに書いたこともあるが、孫が生まれて丈夫に育ってほしいという希望は持つが、途中で失うなどということは想像もしない。やはり医学の進歩はありがたいことなのである。

2007年10月27日土曜日

技能五輪国際大会

地元での40年来の友人がいる。まだお互い20代の若者だった頃、一緒に英会話の勉強をした時期があった。今のようにいろいろな英会話スクールがなかった時代だった。やがて飽きっぽい私は落伍し、根気強くて勉強家の彼は今だに続いている。今では彼は普通に外人と会話ができるようになっており、市へ登録して外国からのお客さんが来るとボランティアで通訳をするまでになっている。彼とは今でも毎年何回か会って食事をする。

ところが、その友人が今年に入ってからとても忙しそうにしている。よく聞いてみたら、「第39回技能五輪国際大会」が来月地元沼津市で開催されるからだそうである。そのため沼津市に50カ国からたくさんのお客様が来るのでボランティアとして準備のお手伝いから運営まで関わるので大忙しなのだという。

「技能五輪国際大会」は一般にはあまり周知されていないようだが、結構大きい行事のようだ。1950年にスペインで第一回が開催されてその後2年に一度開催されていて、今年静岡県が開催地となっている(こちら)。

かつて、日本が高度成長に入る時代には技能五輪の話題はよく新聞紙上を賑わした。日本は技術立国の色合いが強かったので、海外の国際大会で評価されることは若者達の大きな励みになった。フライス加工で誰それが金メダルを取った、旋盤で誰それが銀メダルを取ったと写真入りで大きく報道された。そしてその年代の人達が日本の技術立国を支えてきた。

時代が変るにつれて、今の若者達は工場現場で油にまみれることに魅力は感じなくなっているようだ。どうしても工場は3Kのイメージが強く、ITとか金融とかこぎれいな第3次産業が人気のようだ。

私などは日本の立国の基礎である物作りが軽んじられる傾向を憂いているので、そういう意味ではこの種の行事の持つ意味は大きい。地元では街のあちこちに関連する表示があるのが、全国的にはあまり報道がないので、周知されていないかもしれない。

できることなら、このような行事を通じて物づくりの魅力を感じる若者が一人でも増えてくれるとありがたいのだが。

2007年10月25日木曜日

優先席の復活

阪急電鉄は「全席が高齢者や障害者優先」として8年前に全国で初めて廃止に踏み切った車内の優先席を、10月29日から全線で復活すると発表した。乗客同士の譲り合いの精神に期待したが、お年寄りの利用者らから「譲ってもらえない」「優先席があった方が譲ってもらいやすい」などの声が寄せられ、現実の前に理想が挫折した形となった。阪急は「趣旨が定着しなかった」と残念がっているという。同様に優先席を廃止していた能勢電鉄、神戸電鉄も同時に復活させるようだ。

これを報道した番組でマイクを向けられた大阪のおばちゃんは「大阪人は順番も守れないんだからムリムリ」と答えていた。
一方、横浜市営地下鉄も2003年末から同様に全席を優先席としているが、「賛同する声が多い」として見直す予定はないという報道もあった。

これだけから判断すると、地方性もあるのかなとも思えるが、私にはとてもそうは思えない。私が3年前迄乗っていた関東近辺のいろいろな電車でも若者が高齢者に席を譲る姿はあまり見かけたことはない。それより高齢者が前に立っても若者が寝たふりをしているのを見て不愉快に感じた回数の方が多かった。
最近は地元のローカル電車によく乗るが、高校生のお行儀の悪さには辟易する。入り口付近に集団で床に座り込む生徒や、優先席でも我が者顔で占拠して騒ぎ立てる。他者への配慮など微塵も持ち合わせないように見える。

かつての儒教的思想は近代天皇制のもとでは国民全体に強要されたものとして、戦後教育からは排除されたが、年長者を敬い、弱者を庇うといった人間として必要な秩序までもが葬り去られてしまった。その結果、殺伐としたいじめや尊属殺人までもが平然と行われるようになったのもそれが一因ではないだろうか?

もちろん戦前の教え方に戻すことはできないが、「教育再生」は必要だ。少なくともこれから大人になる子供達だけには学力だけでなく、「自分より弱いものへの思いやりや愛情」の大切さを教えてもらうとありがたい。

2007年10月22日月曜日

来年の大河ドラマ

私は歴史物が好きなので、NHKの大河ドラマは毎年楽しみに見ている。今年の「風林火山」も川中島の戦いになり、勘助心の支え由布姫も死んで終盤に入る。

さて、来年の大河ドラマの舞台は幕末、主人公は天璋院篤姫(こちら)である。来年の話はまだ早いかもしれないが、私にとっては例年今頃から準備に入る。というのは私の大河ドラマの楽しみ方は、この7年間必ずドラマを見る前に原作本を読むことにしている。2001年の「北条時宗」から、「利家とまつ」「MUSASHI」「新撰組」「義経」「巧妙が辻」そして今年の「風林火山」と毎年そうしてきた。歴史物の場合、ストーリーはよく知っている場合が多いので、原作本でその時代背景や周囲の登場人物、現代との考え方の違いなどを予め知っておくことでドラマの楽しみが倍加するように感じる。ということで、準備というのは原作本を読むことである。楽天ブックスに講談社文庫上下2巻(下記)を注文して一昨日手元に届いた。

原作者は2005年の「義経」と同じ宮尾登美子だが、彼女は「陽暉楼」「鬼龍院花子の生涯」等の女性を主人公とする小説が多いせいか、あまり多くは読んでいない。それでも数年前に読んだ「天涯の花」は今でも強く印象に残っている。名もない少女珠子が養護施設で育ち、四国の霊峰・剣山の山奥の神主夫婦の養女となる物語だった。山の厳しく美しい自然、心優しき人々との出会い、そして初恋、少女の生の輝きを情感豊かに描く長編小説だった。見事な筆力で描く女性の情感描写は女流作家独特のものだと感じたものだ。

大河ドラマの主人公天璋院篤姫は幕末から明治にかけて生きた人。薩摩島津藩の分家、今和泉家の娘で薩摩藩主・島津斉彬の養女を経て江戸幕府13代将軍徳川家定の正室として、大出世の嫁入りをする。御台所としては身分が低すぎるといわれながらも、大奥3千人を束ねる見事な御台所として、病弱な夫との形ばかりの結婚に耐え、養父の秘命を果たした48年間の波乱万丈の生涯をおくった。

日本が夜明けを迎える明治維新を背景に、徳川家の裏側で起きたいろいろな出来事を女性の眼を通して描く。原作で読む篤姫のイメージは大柄で心優しいが芯が強く利発な女性、篤姫役の宮崎あおいちゃんはやや線が細いようにも感じるが、篤姫のイメージは一般的にあまり強くないので、すぐ慣れるだろう。来年は1年間宮崎あおいちゃんの篤姫を通じて幕末へのタイムスリップが楽しめそうだ。主人公が女性だけに女性の大河ファンが増えるのではないだろうか?

 詳細↓

2007年10月20日土曜日

薄化粧の富士山


今年は暑い夏が長く、涼しくなったと思ったら急激に寒くなった。我が家もコタツの準備が整った。まだコタツは使ってはいないが、これほど冷房をやめて暖房を使うまでの期間が少ない年は記憶にない。いちばん大好きな秋が短いのが残念だ。これからは毎年こんな風になるのだろうか?日本の四季も変わってしまう。

最近殺伐とした事件が多い。親が子供を殺し、コンクリート詰めにする。子が親や祖父母を平然と殺す。でも、散歩に出て富士山を見上げるとそんな嫌なことを忘れるよう気ががする。今朝、ふと見上げると富士山はうっすら薄化粧をしている。昨日は雨天で富士山が見えなかったが、その雨が山頂では雪になったようだ。
全国の山々もきっと今日雪を被ったというところが多いのではないだろうか?

2007年10月18日木曜日

亀田家騒動

亀田家騒動が賑やかだ。そういう自分もあのひどい試合以降、チャンネルのハシゴをして見てしまったが・・・。騒動の舞台でテレビに登場する葛飾区は私が少年時代を過ごした場所なのでつい懐かしく見入ってしまう。

スポーツ精神を冒したという高邁な意見をいう人もいるが、そこまで大げさに考える必要もないだろう。そもそも今までのプロボクシングの扱いはプロレスやK-1などの格闘技ほどではないが、スポーツとショーの中間だ。そんなに神聖なものとも思えない。従って、テレビ放映は金儲けのためで、見ている人や関係者はその扱いに誰も文句をいう人はいなかった。今回の反則の連発はいけないことは当然だが、いまさらスポーツマンシップとかいわれても「?」という感じだ。

元々JBCだって亀田人気に乗っかっていた。積極的には処分はしたくないところへ、苦情が殺到して世間の騒ぎがあまりに大きくなりすぎたので重い腰を上げたように見える。時津風部屋事件と相撲協会の関係と似ていないだろうか。

それにしてもTBSの態度は腑に落ちない。放映権を持つTBSの今までの亀田兄弟への入れ込み方は尋常ではなかった。父子鷹として大げさにショーアップした演出はひどいものだった。この前の世界戦の試合だって、試合開始の1時間前から延々と見たくもない内容を見せられた。これだけ亀田家を持ち上げてきたTBSが今回の騒動の後は手のひらを返したように他局と一緒に亀田家を叩く側に回っていたのにはあいた口がふさがらない。

このTBSを初め亀田家を担ぐお神輿の担ぎ手が、騒動とともに蜘蛛の子を散らすように逃げ出して一家は地面に放り出されたようなもの。問題だらけの亀田家ではあるが、こんなふうに持ち上げられて、落とされる様子を見ると、彼らも今の商業主義の犠牲者なのであろう。

それにこれだってほかのスキャンダルが起きればメディアもそっちに乗り換えるに決まっている。ちょっと前まで朝青龍、時津風問題、沢尻エリカ騒動、でこれ。あと1週間もすればこの問題には見向きもしなくなるだろう。

2007年10月17日水曜日

定期健診並びにジェムザール7回目の点滴

昨日(10/16)は先々週10月2日(火)に続いて定期検診だった。
いつも検診が11:00のことが多く、採血とレントゲン撮影の時間をみて病院には10:00頃入るのだが、今日は検診予約が10:00しか取れなかったので、病院へはいつもより1時間早く9:00に入った。
朝病院に到着して、いつものようにすぐ採血とレントゲン撮影を行って、10:00の診察を待った。

診察結果
・白血球の数値は2,900と正常範囲(3,900~9,800)と前回より大分低めだった。
・好中球も40%と標準の50%よりやや低い。
・肝臓の数値等は正常値。
・レントゲン画像には異常は見られない。

白血球も好中球もやや低いが、先生の判断で点滴は可能とのことで、診察後すぐ通院治療センターへ行って点滴の予約をする。今日は2時間待ちといわれたので、散歩コース(院内)を散策し、ゆっくりと昼食を摂って時間を過ごした。今日は陽気が暑くも寒くもなく、頬に当たる外気の風が心地よい。庭園のバラの花を見ながらゆったりと散策するのは久しぶりだった。
1時間40分後、呼び出されて、吐き気止め30分+ジェムザール30分、両方で1時間の点滴を行った。

2007年10月16日火曜日

がん患者が憧れる自然退縮-2

最近ある文献で見つけたのだが、大阪大学のある教授が進行ガンでも1000人に1人の割合で自然退縮が起こっているというんです。これは発病した時点では確かに弱かった「免疫」の力が、何らかの原因でガン細胞に勝ったという現象ともいえるのです。このような例からも、発病により、「免疫」の力は「敗者」として消え去るというものではなく、常に体内で敗者復活の戦いを続ける頼もしい存在なのですと述べており、ガン患者に希望を持たせる。

ガンになるには3つの要因が関係する。
その第1は「発ガン因子」、これは遺伝子に傷をつける食品の発ガン物質や放射線、排気ガス等々。第2は発ガンを促進させる「発ガン促進因子」。これは、高塩分、高タンパク、高脂肪食品の摂取過多などで体内が汚染され発ガンを促進させる。でも、これだけでは発ガンしない。
もう1つ発ガンを完成させる為に必要なのが「完成因子」ともいうべき身体の防衛力、免疫力の低下である。この免疫力は低下すれば発ガンの大きな要因となるが、上記の教授の弁のように「自然退縮」で末期のガン細胞でさえ消し去ることもあるような力を持つようだ。

現在の西洋医学では「外科手術・放射線治療・化学療法」しか扱わない。いわゆるエビデンス(科学的根拠)が整わないものは医療現場では扱わない。それ以外の要素は研究室のテリトリーだ。「免疫力」はガン発症の重大原因であることは分かっているが、現在の治療法の中には全くその名前が登場しない。西洋医学以外の代替治療と呼ばれる民間療法の中にはこの「免疫力」を表面に出す治療法があるが、公的に認知されていない、かつ健康保険の利かない治療法なので、中には評価の高いものもあるが、誰にでも受けられるものではない。

最近は以上の3大治療法に加えていずれ第4の方法になるだろうといわれている「免疫療法」の研究が盛んで、いろいろな成果が最新ニュースで取り上げられるようになった。私の治療通院先の静岡県立静岡がんセンターでも研究部門があって、この「免疫療法」を重要テーマとして取り組んでいるという。最近スタッフを増員して力を入れている。皮膚がんはじめ一部では画期的な成果を上げていることが発表されている。この人間の持つ「免疫力」をコントロールする研究が進めば、今の3大治療法の制限を一気に突き抜ける治療成績を上げるようになるのは間違いない。

人間の免疫力を自由にコントロールできれば画期的な治療法となるだろうが、今は研究段階を脱しない。新しい治療法が確立されるまでは、患者は自分のできる範囲で、自分の「免疫力」を上げる方法を試みることで、5年生存率などの数字に囚われない成果を上げることも可能だと思う。

2007年10月15日月曜日

がん患者が憧れる自然退縮

このブログの8日「5年生存率」の最後の方で「ガンといえども自分の細胞が変質したもの、いわば子供が不良になったのに似ている」と書いた。今日は素人考えではあるが、自分が考えているその考えを少し詳しく・・。

人の体は60兆個の細胞で成り立っているそうである。そして自分自身が60兆個の細胞の管理者である。身体中の筋肉も内臓も、髪の毛も皮膚もすべて整然とした管理のもとに(平均80年間も)生きる。ところが、ガンになるということは管理下にあるべき正常細胞が変質してガン細胞に変わり、管理者の言うことを聞かずに勝手に増殖を始めて周囲の正常細胞を破壊していく。ガン細胞も自分の身のうち、子供が不良とか引きこもりになるのに似ている。つまり、外的要因が関係するのは確かだが、管理者である自分に大きな責任があるのである。

子供が不良化した場合、そのまま放置をすれば家庭は崩壊する。自分に降りかかった災いの解決を他人にお願いするばかりでは簡単に解決はしない。この災いは自分の責任と自覚して、自分が主役になって、いろいろな試みをすることで解決の道を見つけることが必要のようだ。

10年前か、15年前か記憶は定かではないが、NHKのドキュメンタリー番組で「がんの自然退縮」を取り上げた番組があった。医者にも見離された何人かの末期がん患者が、不思議なことにあるとき突然ガンが消えるという現象を取り上げていた。そしてその人達の日常をカメラが追った結果、決定的な原因は分からないのだが、その人達に共通の背景は何らかの目標意識を持っていたり、ガンに負けられないという強い意志を持っていたことだった。

当時の私は働き盛りで、将来ガンになるということは想像もしていなかったが、一般的に死の病気だと思われているガンにこんな不思議な現象があることに強い興味を持ち、何回(2回か、3回)かのシリーズを初めから終わりまで見たことを記憶している。

最近、ネットで調べてみると、1993年にNHK教育テレビスペシャル『人間はなぜ治るのか』三回シリーズで「ガンの自然退縮」を取り上げて放送して教育テレビ始まって以来の大反響となったと・・・いう記載が見つかったので、多分それを見たのだと思う。

そして、自分がガンになってからもその時の放送が思い出され「自然退縮」という言葉が頭から離れることはなかった。
(長くなるので続く)

2007年10月13日土曜日

ラジオ体操

日本人が一生の内でいちばん多く聞く音楽は何だろうか?私はラジオ体操第一のメロディではないかと思う。
私にとっては遥か遠い小学生の頃から、サラリーマンをやめる3年前まで50年以上に亘って毎日のように聞いた。小学生の頃などは夏休み期間中まで、子供会で早朝6時頃だったと思うが近所のお寺でラジオ体操をさせられた。何回ぐらい聞いただろうか・・・と考えてみたけど想像もつかない。

サラリーマンになれば縁がないかと思えばそんなことはなかった。どこの職場へ行っても朝放送で曲が流され、強制的にラジオ体操があって、その後朝礼というスタイルだった。若い頃は眠気をかみ殺していやいや身体を動かしていたので、まるでダンスのようで、運動効果はなかったと思うが、中年を過ぎてからはラジオ体操で目が覚めて仕事をする準備ができるような気がするようになった。短時間の体操だが、身体が痛いほどに屈伸運動をすることで、体調が保たれたような気がして欠かせないものになった。そしてストレッチ運動の大切さはむしろ会社を辞めた最近の方が強く感じるようになった。

会社を辞めて自宅にいるようになってからは運動不足解消のためにウォーキングをしたり、適当にストレッチをしたり、JOBA等の運道具を使ったりしている。いつの頃からかサラリーマン時代のように再び毎朝ラジオ体操ができればいいと思うようになって、テレビの放送に合わせてラジオ体操をしたりしたが、やりたい時間と放送時間が合わずにやったり、やらなかったりしていた。CDを買ってくればいいのだが、それほどの優先順位ではないためかいつも忘れてしまう。今はある日たまたまYOU-TUBEで曲を見つけたので、午前中の好きな時間にパソコンで音楽を流して1日1回は昔のようにラジオ体操をするようになった。

私と同じように運動不足を感じている方は下記のアドレスをお気に入りに登録して、1日1回ラジオ体操をされると良いと思う。画像はいろいろな種類があるので好きなものをお選びを!
http://jp.youtube.com/watch?v=Wij1JULURjg

2007年10月11日木曜日

がん患者にはちょっとうれしいニュース2つ

直近の「情報スクラップ」のニュース(こちら)に「がんワクチン」と「エルロチニブ承認」のニュースがあった。現時点でガンを抱えている患者にとっては新しい医療技術や薬剤のニュースは砂漠でオアシスを見つけたようなうれしさがある。近づいてみれば期待したような水のないオアシスかもしれないけど、この期待は死ぬまでなくなることはない。

最初の「がんワクチン」のニュースは東京大学医科学研究所の中村裕輔教授のグループが開発し、かなりの確率で効果があったというものである。今年の日本癌学会で発表され、NHKのニュースでも紹介されていた。私は専門家ではないので詳しい原理は分からないが、ガンの目印になるような物質を体に入れることで患者の体の免疫細胞に「こういう悪者が体内にいるから、やっつけろ」という指令をすることによって患者の免疫細胞がガンをやっつけるように仕向ける薬のようである。免疫療法は体内の免疫細胞を取り出して培養してまた体内に戻すという大変な作業を伴うが、ワクチンであれば注射(または点滴)をするだけなので簡単に治療でき、将来有望な方法のように思える。まだ実用化には数々の難関があるようだが、実用化すれば今の抗がん剤に替わる化学療法になるのだろう。成功が待たれる。そしてノーベル賞につながるような現実的な研究になればよいが・・・。

もう一つの「エルロチニブ承認」のニュースもうれしい。エルロチニブはタルセバという名称の方が通りはいいだろう。7月27日と30日に承認のニュースが出ていたが、その続報である。どうやら年内には販売されそうだ。

これはイレッサと同じ種類の分子標的薬で、以前からアメリカから輸入して使用していた患者さんもいる。保険適用がないと、1錠12,000円ぐらいしていたと思う。毎日飲む薬なので、保険が適用されないと経済的に使えない患者の方が圧倒的に多い。国内での販売価格は未定であるが、イレッサ(保険適用前で7,000円台)と同じぐらいの価格で販売されるのではないかと思う。タルセバは他の抗がん剤や、イレッサが効かなくなった患者に効きやすいという実験結果があるようだ。私は今一般抗がん剤(ジェムザール)を使用しているが、ずーと使い続けられる抗がん剤があればよいが、薬剤耐性が出ることが多くなかなかない。従って次に控える薬剤の種類は多ければ多いほど心強い。

2007年10月10日水曜日

がんばれ!ヤンキース

私が高校生の映画少年だった今から50年前、「くたばれヤンキース」という映画があった。物語は野球ファンのある老人が悪魔と契約してものすごい強い選手に生まれ変わり、弱小球団に入団する。強いヤンキースを次々に打ち負かすという他愛のないミュージカルコメディだったが、結構面白かった。とにかくその頃は強い、強いヤンキースだった。

また、つい最近でもクリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」で、太平洋戦争中日本軍のいる硫黄島を攻略するために丘に星条旗を立てた兵士が国内に凱旋し、ヤンキースの選手が居並ぶ満員のヤンキースタジアムに登場して喝采を受けるというシーンがあった。縦じまのユニフォームやNYのロゴマークは今と同じだった。

ヤンキースは常に強いアメリカの象徴だという印象がある。ところが最近は7年連続でワールドシリーズ制覇を逃し、3年連続で地区シリーズでの惨敗というちょっと情けない状態だ。今年も地区シリーズでさえ優勝を逃し、やっとワイルドカードでプレーオフへ進出したが、それも第4戦で敗退してしまった。

10日の日本のスポーツ誌には「ヤンキース、松井放出か?」などというタイトルが目立つ。アメリカの新聞ではトーリ監督の去就が話題になっているようだが、監督が変わればトーリ監督に評価されて選ばれていた松井は来期はあやしいということのようだ。9日放送の最終戦で5回2死一塁の第3打席。松井秀喜は初球を簡単に打ち、平凡なショートフライに倒れた。そしてその直後、ブーイングがヤンキー・スタジアムを包んだ。今年の松井は派手さはなかったけれど、チームのために献身的に活躍したように思う。おそらくそのブーイングは、インディアンスの前に敗色濃厚だったヤンキースのチーム全体に向けられたものだったのだろう・・・と思いたい。いずれにしても、今年のヤンキースを表す象徴的な光景だった。プロスポーツは結果がすべての厳しい世界であることを思い知らされる。

ヤンキースはチーム作りにダントツの200億円以上の大金を費やしているという。にもかかわらず、昨季はタイガース、今季はインディアンスという低予算の格下チームを相手に、あまりにも完ぺきな形で敗れてしまった。
例年ヤンキースの敗戦は株価に影響するという。今年は敗戦でその株価が動かなかったということが話題になった。ヤンキースの再生は避けられないだろうが、今年ケガに悩まされた松井や、もう一つ調子が出ない井川には登場する機会はあるのだろうか?地球の反対側で見ている日本のファンのためにもぜひ日本人選手を参加させてもらいたいものだ。

2007年10月8日月曜日

5年生存率

5年生存率の新しいデータが発表された。(私の情報スクラップ)

ガン患者が告知をされるとき、病名や病状の説明と一緒に末期の場合は「余命」になるだろうが、そうでない場合はこの「5年生存率」を告げられることが多いようだ。ガン患者やその家族はこの「5年生存率」には複雑な思いがあるだろう。

私の場合2003年5月に「ガン告知」をされたとき、ガンに関する知識が全くなく、ガンと聞いただけで「死」が頭に浮かんだ。最初のときはガンの進行度がⅠ-B期と聞いてもそれがどの程度なのかが分からない。そこで「あと、どれだけ生きられますか?」と医師に尋ねた。そしてその医師は笑いながら初期であるということと「5年生存率75%」という説明をしてくれた。初期なら生存率がなぜ100%ではなくて75%なんだろう?と思ったが、何となくガンの程度としては軽いんだろう、そして25%の死亡者がいるということは再発しやすいのだろうかと考えたものだ。この%、まるで天気予報の降水確率のようだ。降水確率50%といわれても傘をもっていくのかどうか迷う。医療側から見ると、がん患者100人のうち5年後に生存している確率は意味があるだろうが、患者側から見ると自分ひとりの問題なのだから0か100しかない。

そして、心配したとおり手術から1年後に再発し、そのときはⅠ-B期からいきなりⅣ期になってしまった。再発のときは医師から5年生存率の説明はなかったが、Ⅳ期をデータで調べてみると3.1%である。再発を告げられたのが2004年8月だから3年たつ。今の状態ではお迎えが来る気配はないから、まだしばらくはこの世にいられそうだ。再発後5年の2009年8月までは生きて、3.1%の中に入ろうという目標ができた。
私の例で分かるように、一概にガンといってもその病状や経過のたどり方は多種多様なことが分かる。100人いれば100通りといわないまでもいろいろなケースがある。5年生存率の調査といってもそのいろいろなケースを細かく層別しているわけではないので、現在のデータは非常に大まかなデータだと言うことが分かる。
この種のデータに意味がないとは言わない。実測生存率とか相対生存率等に分けてデータの精度を上げるいろいろな試みはされているようだ。医療側はいろいろな医療技術の向上で生存率を上げるように役立ててもらえれば結構なことだ。

ただ、患者側はこのデータにあまり支配されないことだ。ガンといえども自分の細胞が変質したもの、いわば子供が不良になったのに似ている。更正の手段はいろいろ存在する。しかも他人(医師)まかせにすることなく、自分にもかなりのやり様がありそうだと最近思うようになった。つまり本人の気持の持ちようや努力の仕方で病状が大きく変わる・・と考えて行動することがプラスになるようだ。

2007年10月6日土曜日

がんばれ!日本のプロ野球

今日の松坂は残念だった。3失点だから責任範囲内と考えることにしよう。降板のとき観客からブーイングや罵声ではなく、暖かい拍手があったのは日本人としてはうれしい。来期は胸のすく勝ち方をして観客に応えてもらいたい。試合は9回2死からラミレスのレフト場外へ消えるサヨナラホームランでレッドソックスが勝った。中継は途中でなくなったが、しかし、あのビッグモンスターの上を越える場外ホームランというのはケタ外れで驚くばかりだ。

最近私の野球観戦はすっかり大リーグ主体になってしまった。それにしても今年の日本のプロ野球人気の凋落振りは心配だ。なにしろ巨人の地区リーグ優勝決定戦の中継がなかった位だ。こんなことは一昔前には考えられない。1年を通じて視聴率の落ち込みは目を覆うばかりだそうだ。これを大リーグ人気のせいにするプロ野球関係者がいるが、とんだ考え違いだろう。日本のプロ野球関係者が仕事をしない結果・・・だと思う。

例えば、私は疑問に思うのだがこれから始まるクライマックスシリーズ。これは一体何だろう・・と思う。リーグで半年もかけて決定した順位を1~3位のチームで再度決め直す。セリーグ3位のチーム(阪神ファンの方ごめんなさい)が勝ち上がって、パリーグ3位のチームが勝ち上がれば日本シリーズは両リーグ3位同士の戦いとなる。これでも勝ったどちらかが日本1になる。半年も戦ったリーグ戦は一体何だったんだろう。目先の興行収入ばかりを考え、筋の通らないことは長続きしないのではないだろうか。やはり日本シリーズは両リーグの1位同士のチームが戦うべきだ。興行成績を考えるなら、6チームを一緒にして同時に日本シリーズをやるべきだろう。

リーグを3つ(4チーム×3リーグ)に再編成して決定戦を充実させたり、サッカーのように1部、2部を作って入れ替え戦をしたり、いろいろな方法がありそうだ。従来のままでは人気の凋落に歯止めがかからないだろう。

最近、大相撲の体質が問題になっているが、日本のプロ野球も似たところがある。要するに経営する立場の者または組織が弱体なのだろう。環境の変化を敏感に読み取って常に先取りして変革をするのは会社経営でもスポーツ界の経営でも同じだろう。監督に外人が増えたが、むしろ経営陣に外国の実績のある経営者を入れて根本的にファンの楽しめる野球に変革する必要があるのでは?

2007年10月3日水曜日

定期健診並びにジェムザール6回目の点滴

昨日(10/2)は先々週9月18日(火)に続いて定期検診だった。同時に下記の検査結果の説明及び今後の治療方針。
9月21日(金) PET-CT撮影(半年に1度) 
ガンの動き及び肺以外(脳はMRI)への転移の有無を確認する。
9月25日(火) CT撮影(3ヶ月に1度)  
ガンの動きを詳細に確認するために行う。

朝病院に到着して、いつものようにすぐ採血とレントゲン撮影を行って、11:00の診察を待った。今回は上記のようにPET-CTとCT撮影を行ったので、その結果の説明と今後の治療方針の説明もある。予定時刻ちょうどに呼び出しのベルが鳴った。

診察結果
・PET-CTとCTとも前回と変化なし。
・白血球の数値は3,500と正常範囲(3,900~9,800)とやや低めだが、点滴は可能。
・好中球も異常なし。
・肝臓の数値等は正常値。
・レントゲン画像には異常は見られない。

心配していたPET-CTとCTの結果は「前回と比較して変化なし」だった。ガンが縮小することが望ましいが、変化なしでも最低限の安心は得られた。ジェムザールの効果は明確ではないが、ガン腫瘍が進展していないので、あと3ヶ月(今までどおり1週間おきで)継続する。

白血球はやや減少しているが、好中球も正常値なので本日の点滴は可能。診察後すぐ通院治療センターへ行って点滴の予約をする。1時間待ちなので早めの昼食をとる。ちょうど1時間後呼び出されて、吐き気止め30分+ジェムザール30分、両方でも1時間の点滴を行った。

2007年10月1日月曜日

今日から後半期

今日は10月1日。4月1日や1月1日などと並んで区切りの日。
サラリーマン時代は1月から12月の1年間以上に、4月から翌年の3月に大きな意味があった。1年決算の会社は3月の末が大切だが、10月も後半期のスタートとして重要な意味があった。数字目標や実施事項の施策などを部門ごとに作り、各階層ごとに発表したり、部下に通達したりした。リタイア後はこの種の呪縛から解き放たれたが、40年もこういう生活をすると今でも時々夢に見たりすることがある。

衣替えもこの日に行われる。といっても本社などは制服がないが、制服のある職場や工場などでは作業服などが今までの夏服から冬服に変わる。季節の変わり目を実感する風景だった。

10月1日で思い浮かぶこととして、赤い羽根共同募金がある。募金期間は10月1日から12月31日だという。街に出ると子供達や学生が赤い羽根募金を呼びかけるのも風物詩になっている。我が家の近所ではいつ頃からか分からないが、街角の募金だけでなく、自治会費の中から一括強制納入して、赤い羽根が各家に配布されてきたりする。

テレビの番組の編成が大きく変わるのが4月1日と10月1日なのも放送局が会社組織だからだろうか?この時期連続ドラマの多くが新しくスタートし、特別番組が多く放送されるのも年中行事になっている。