2008年2月1日金曜日

医療被曝問題

1月27日の報道で『米がん患者2%が「CT原因」(当サイトの情報スクラップ参照)』はちょっと気になるニュースだ。

なにしろ、ガンの検査や治療のために使う検査機器のせいでガンになるというのだから。

4年ほど前にも読売新聞(16年2月10日)に次のような報道がされ話題になったことがあった。
『英国オックスフォード大グループの調査で、日本人は75歳までにがんになる人のうち、放射線診断が誘発したがんの割合を算定した結果3.2%となり、15カ国中で世界一』

被爆というと、人間は自然界からも常に放射線を浴びており、大地から1年間に0.46mSv(ミリシーベルト)また、宇宙からの放射線(宇宙線)で1年間に0.38mSv、その他空気などから1.5mSv程の被爆を受けているそうだ。

それでは医療機器からどのくらいの被爆を受けるのか?撮影部位や条件で幅があるが、被爆量の比較のためにいろいろな資料から大雑把に拾い出すと、(いずれも1回当たり。単位はミリシーボルトmSv)
●胸部X線で0.1 ●胃透視X線(バリウム検査)で15~30 ●CT検査で10~30 ●18F-FDGを使ったPETで2.2 ●PET-CTでは20
といったところだ。これを見ると、やはりCTは数値が高い。胃のバリウム検査も意外と被爆量が多いのが分かる。

核爆弾や原子力発電所の事故などで人体が白血病やガンになると言われている放射線量は、一度に1,000mSvを越える量と言われている。それから比べるとはるかに少ないので、医療関係者は一様に安全というので、それを信じるしかない。
そうはいっても、がん患者のように定期的に、継続的に被爆するときの細胞への影響などはどうなのだろうか?人によって、時によって、免疫力が弱った場合の影響等々・・心配はある。この種の研究は見たことがなく、実際は良く分かっていないのが実態かもしれない。

とはいっても、現在のガン医療はCTやPETを使わないということは、治療を放棄しない限りどうすることもできない。

せめて、上記のような知識を持った上で、患者に選択権のあるような場面(例えば念のために受けてみますか・・と聞かれた場合のような)では、やめておくことぐらいしかできない。また、健康な家族(特に子供や妊婦さん)には不必要には受けないように薦めるとか、将来は被爆の少ない検査機器を開発してほしい・・という要望を持つことぐらいしかできないようだ。

8 件のコメント:

れい さんのコメント...

1年2回のCTスキャンで被曝する線量は、日本の原爆投下時の爆心地から約3.2km離れた場所にいた生存被爆者が被曝した線量とほぼ同等であるそうです。
40歳で10ミリシーベルトのCTスキャンを1回受けると100万分の180、すなわち1万分の1.8の確率で肺ガンが発症するリスクを負うそうで、20歳であれば100万分の250、すなわち4000分の1の確率となり、CTスキャンを受ける年齢が若いほど影響は大きくなります。

医師や病院が変わるたびに、重複して
CTスキャンを受ける人が多いこともCTスキャンを増加させる原因の1つでしょうし、「CTスキャンをしていれば助かったのに、どうしてくれるの!」などと言うことが頻発すれば、医師がCTスキャンを減らすことはないように思います。アメリカでCTスキャンが増えている原因は後者が主なんだそうです。

   さんのコメント...

 tamyさん

 毎週胸部X-rayリピーターとして気にならないわけはない、当然ながらCTは多いですね。

 骨髄抑制は白血球の振る舞いにおいて被爆者と同じところがあると感じていたが、さらに被曝量においても影響があるのだ。

 このあたりは、study2007さんもコメントがおありだと思います。

   さんのコメント...

 ハンフリー署名落ちでコメントしてしまいました。

tamy さんのコメント...

れいさん
スタンレーさん

若いほど、影響は大きいということですね。

患者としては1回もそうですが、蓄積がどうなるのか気になります。1回の照射で発生したがん細胞はNK細胞等で消滅すれば次への影響は消えますが、骨髄抑制で免疫力が落ちたときなど、どうなるのかが気になります。

study2007 さんのコメント...

実は私のブログのメインテーマは抗癌剤では無く、再発、放射線、癌研究、医療制度、統計、と進んでゆく予定でいます。筆が進まずまだ全然ですが、、、。
・被爆による2次癌のリスク評価は国際放射線防護委員会で勧告が出されていますが定量評価は難しいようです(後日ブログで詳細に議論します)。ただ長期的な発ガンリスクは「蓄積」ですのでCTを取れば取るほど確実に2次癌のリスクは増すと思います。
・ですが癌患者の私どもがCTで受けるメリットに比べればそのリスクは軽微だと思っています。むしろ日本は人口あたりのCTの台数が多く、病院側がなにかと検査したがるので、むしろその弊害の方が問題に上げられる論調の方が多かった様な気がします。
・測った事は有りませんが骨髄抑制に与える影響も検出限界以下だと思います。勿論、放射線治療で2Gy(2000mSv)/dayとかを背骨とか胸骨に照射されると10Gyを越えたあたりから明らかに白血球は低下する様ですがその場合は抗癌剤を調整するハズですので、通常は常識の範囲内でバランスを取っている様です。

tamy さんのコメント...

study2007さん
ご意見とても参考になりました。
受ける恩恵と弊害を比べれば、その映像ですべてを判断していることを考えれば、はるかに恩恵の方が大きいということですね。

映画「生きる」の冒頭にも出てきますが、レントゲン写真1枚しか判断材料がなかった時代に比べれば答えは明快ですね。

大 さんのコメント...

tamyさん、放射線予防はレントゲン撮影でも、鉛のカバーを使うとかの方法が有りそうですが、日本では面倒くさいとの事で省かれているようですが危ない事ですね。子供の時から教育すべきですね。

tamy さんのコメント...

大さん
レントゲンは放射線の特性を生かした撮影方法なので、根本的な方法を変えない限りはどうしようもないですね。
他の方法が出現しない限り、メリットとデメリットの比較で考えるしかないようです。