2007年6月6日水曜日

マルチカロチンと抗がん剤

4/27と4/29で「マルチカロチンと肺がん」について書いた。マルチカロチンがガンの予防と抑制に効果があれば・・という気持で4月からマルチカロチンを購入して服用した。ところが、その後抗がん剤治療となったので、入院した5/11から服用を中断した。その理由はマルチカロチンは強い抗酸化作用をもち、その抗酸化作用によってガン細胞の活動を抑える。ところが、抗がん剤は活性酸素そのものであり、それによってガンをやっつけると聞いているので、マルチカロチンとは相反する作用で、お互いに効果を消し合うのではないかという疑問があったからである。あくまでも素人考えで何か拠りどころになる資料はないかと探していたところ、下記の本を見つけた。その中に私が探していた記述(つまりマルチカロチンと抗がん剤の関係)があったので、参考までにここに紹介したい。

「決定版!抗がんサプリメントの正しい選び方、使い方」福田一典著:南々社

【一部要約】実際にこの問題(マルチカロチンと抗がん剤・放射線治療との関係・・筆者注)を扱った論文には2つの立場があって、議論が続いています。一つは、抗がん剤や放射線はフリーラジカルを発生して、その細胞障害作用でがん細胞を殺すのであるから、フリーラジカルを消去するような抗酸化作用をもったサプリメントは、抗がん剤の作用を弱めるので摂取すべきではない、という考えです。

一方、「天然の抗酸化物質が、生体内で通常のがん治療を妨げる可能性を示唆する証拠はない」という論文も多くあります。「抗酸化剤の投与はそれが化学療法や放射線療法との併用の有無にかかわらず多くの有益な効果を示す」という記載がされています。この論争は賛否両論それぞれがエビデンスを蓄積して主張しているため、結論が出ていません。抗がん剤や放射線治療中に抗酸化剤を使用することは有益性が高いという報告があるのは事実ですが、抗がん剤の種類によっては明らかに有害である場合もあり、ガン専門医の間では「抗がん剤や放射線治療中の抗酸化剤の使用は推奨できない」という見解が主流であることを知っておく必要があります。

その他「ガンに効果があるという根拠」「酸化とは」「酸化ストレスはガンを悪化させる」「活性酸素、フリーラジカルとは」「ガンに対する有効性は」「抗がん剤治療中の抗酸化剤使用の是非に関する論争」・・・等々が解説されています。

この本の著者、福田一典氏は熊本大学医学部卒で、熊本大学医学部から久留米大学医学部、北海道大学医学部を米国Vermont大学、国立ガンセンター研究所を経て現在銀座東京クリニック院長。

世間でガンに良いといわれているが、医学的にはその効果を立証されていないサプリメントが医学的に見てどのように評価されているのかを解説している。

ほとんどのサプリメントは現段階では医学的なエビデンスを得られていないので、結論までは出ていないが、素人がどのように判断したらよいかのヒントを与えてくれる。上記の抗酸化性ビタミン(マルチカロチン)の他にβグルカン(アガリクス等キノコ類)、大豆、大豆イソフラボン、高麗ニンジン、サメ軟骨エキス、漢方薬、ポリフェノール、ミネラル、食物繊維、ニンニク、生姜、セント・ジョンズ・ワート等が取り上げられている。

↓本の詳細

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