日経メディカルオンラインの2008年9月24日の記事「タルセバ服用患者が肝腎症候群および急激な肝不全で死亡 FDAが医療従事者に注意喚起」が目に付いた(記事はこちら)。
FDAというのは米食品医薬品局であるが、ここの発表では非小細胞肺癌治療薬のエルロチニブ(商品名タルセバ)の服用により、肝腎症候群(hepatorenal syndrome)および急激に進行した肝不全により死亡した患者がいたという。米国でエルロチニブを販売するジェネンテック社およびOSIファーマシューティカルズ社が、医療関係者向けに「important safety information」を配布したようだ。
この記事が目にとまったのは、私もつい先日タルセバの副作用による肝臓疾患で大変な目にあったからである。
私の場合、今年の6月12日からタルセバを飲み始め、35錠飲んだところで全身に出たあまりにひどい皮膚の副作用でダウン、休薬となった。休薬をして皮膚も治まりかかった2週間後に受けた定期検診で肝臓の数値が上昇した。GOT107(10~40)、GTP331(5~40)。( )内は許容値なので、かなり高かった。それまでの血液検査ではいずれも許容範囲内に収まっていた。
イレッサの時も同じような数値が出たことがあって2週間ほど休薬をしたことがあった。
タルセバをやめて、2週間もたって数値が上昇しているので、原因が良く分からない。そのとき服用していた皮膚科関係の薬等もすべてやめてさらに2週間たったころに数値がようやく元に戻ったので翌日からタルセバを再開した。
そしてそれからが大変だった。1週間後(タルセバ再開5錠目)の検査で受けた血液検査でGOT 640、GTP 1,025という通常では考えられない異常な数値になった。その場で緊急入院となったが、その後の経過はブログに書いたとおりである。
幸い私の場合はその後の入院治療で何ごともなく元に戻ったが、もちろん個人差はあるが、タルセバを飲まれている方は念のため注意したほうが良いようだ。注意書きなどにもあまり触れられていないので、日本でもタルセバの副作用として肝臓障害も重篤な副作用として注意喚起を呼びかけた方がよさそうだ。
2008年9月27日土曜日
2008年9月24日水曜日
定期検診
今日の定期検診は15日に行った治験薬の適性検査の結果、8日に行った骨シンチ、22日に行ったCTの結果、本日の採血、レントゲン撮影の結果の説明が行われた。
●骨シンチ 全身の骨への転移の確認。転移は全くない(従来通り右肺の中だけに限定)。
●CTの結果 前回7月16日に撮影した映像に比べると、2ヶ月強経過しているので、ガンの影はやや大きくなっている。
●血液検査 すべての項目が正常範囲内におさまっている。
●レントゲン撮影 前回の映像との比較では変化なし。
●治験薬の適性検査 治験の適性検査は適合。前回書いたように今回の治験人員3名枠の最後の1名には競合人員が3名いて、その1名には入れなかった。
但し、治験人員3名を1グループとして投与薬量を変えて何組かあるので次の3名(50日後スタート)には優先的に入ることができそうだ。
従って、ここで既成の抗がん剤(ドセタキセル、TS-1)をスタートするか、次の治験薬まで待つかを決めなければならない。既成の抗がん剤をスタートすると治験は権利を放棄することになる(治験薬はその前40日間は休薬が条件なので)。
既成の抗がん剤は効き目への期待値が低い(抗がん剤を重ねるごとに効き目は悪くなるようだ)。骨髄抑制、脱毛等の副作用が強い。新薬は先行の治験では副作用が少なそう・・・等々を考慮して間隔は多少空いても次の治験薬に挑戦することとした。但し、治験薬投与までの期間が空き過ぎるので、中間で再度CT撮影を行って、急速にガンが進行する場合は予定を変更することも考慮しておく・・・ということが決まった。
●骨シンチ 全身の骨への転移の確認。転移は全くない(従来通り右肺の中だけに限定)。
●CTの結果 前回7月16日に撮影した映像に比べると、2ヶ月強経過しているので、ガンの影はやや大きくなっている。
●血液検査 すべての項目が正常範囲内におさまっている。
●レントゲン撮影 前回の映像との比較では変化なし。
●治験薬の適性検査 治験の適性検査は適合。前回書いたように今回の治験人員3名枠の最後の1名には競合人員が3名いて、その1名には入れなかった。
但し、治験人員3名を1グループとして投与薬量を変えて何組かあるので次の3名(50日後スタート)には優先的に入ることができそうだ。
従って、ここで既成の抗がん剤(ドセタキセル、TS-1)をスタートするか、次の治験薬まで待つかを決めなければならない。既成の抗がん剤をスタートすると治験は権利を放棄することになる(治験薬はその前40日間は休薬が条件なので)。
既成の抗がん剤は効き目への期待値が低い(抗がん剤を重ねるごとに効き目は悪くなるようだ)。骨髄抑制、脱毛等の副作用が強い。新薬は先行の治験では副作用が少なそう・・・等々を考慮して間隔は多少空いても次の治験薬に挑戦することとした。但し、治験薬投与までの期間が空き過ぎるので、中間で再度CT撮影を行って、急速にガンが進行する場合は予定を変更することも考慮しておく・・・ということが決まった。
2008年9月19日金曜日
篤姫快調
NHK大河ドラマ『篤姫』は正月に始まり、早いものでまもなく4分の3が終り、フィナーレに向かおうとしている。
大河ドラマが好きなことは前にも何度か書いたが、『篤姫』も事前に原作本を読み1週も欠かさず、楽しみに拝見している。特に今年は今までと違って地デジのハイビジョン放送で見ているせいか、その色彩の美しさに圧倒されている。本編はもちろんだが、タイトルバックまでもが美しくて引き込まれる。CGを生かした和風のデザインの美しさには9ヶ月経った今でも飽きることはなく、以前はトイレタイムだった長いタイトルもついつい最初から見入ってしまう。
大河ドラマはいつも歴史ものなので、実存する人物と、実際にあった出来事を扱うので、ドラマというよりはどちらかというとドキュメンタリーを見る感覚に近い。
ドラマを見ていつも感じるのは江戸時代までは人の命が実に儚かった。『篤姫』に登場する副主役級の13代家定は34歳、14代家茂が20歳で若死したが、ご両人とも毒殺されたという説が有力のようだ。今の首相なら突然地位を放り投げても、次の日には涼しい顔をしているが、当時は地位を守るのは命がけなことが分かる物騒な時代だったようだ。
ニュースによると、1月6日の放送開始以来6月15日の放送まで連続24回、視聴率20%を越え続け、過去10年間の大河ドラマにおいては、『利家とまつ』の22回連続を上回り、20%連続記録を更新したのだそうだ。
昨年原作を読んだ時点で、今回は女性が主人公で、その舞台も大奥なので、今までの戦国武将が主人公の大型のドラマとは少々性格が違って、視聴率が下がるのではないかと思っていたが、なかなかどうして飛んだ思惑はずれだったようだ。今まで大河ドラマを見なかった女性や若い世代の視聴者が増えて視聴率が上がったのかもしれない。
大河ドラマは例年年末に総集編を放送するが、NHKに寄せられた視聴者の声に応えて、第1話からの集中アンコール放送を9月29日(月)からスタートするそうだ。最終回を迎える前に集中アンコール放送を行うのは過去にはなかったという。
大河ドラマが好きなことは前にも何度か書いたが、『篤姫』も事前に原作本を読み1週も欠かさず、楽しみに拝見している。特に今年は今までと違って地デジのハイビジョン放送で見ているせいか、その色彩の美しさに圧倒されている。本編はもちろんだが、タイトルバックまでもが美しくて引き込まれる。CGを生かした和風のデザインの美しさには9ヶ月経った今でも飽きることはなく、以前はトイレタイムだった長いタイトルもついつい最初から見入ってしまう。
大河ドラマはいつも歴史ものなので、実存する人物と、実際にあった出来事を扱うので、ドラマというよりはどちらかというとドキュメンタリーを見る感覚に近い。
ドラマを見ていつも感じるのは江戸時代までは人の命が実に儚かった。『篤姫』に登場する副主役級の13代家定は34歳、14代家茂が20歳で若死したが、ご両人とも毒殺されたという説が有力のようだ。今の首相なら突然地位を放り投げても、次の日には涼しい顔をしているが、当時は地位を守るのは命がけなことが分かる物騒な時代だったようだ。
ニュースによると、1月6日の放送開始以来6月15日の放送まで連続24回、視聴率20%を越え続け、過去10年間の大河ドラマにおいては、『利家とまつ』の22回連続を上回り、20%連続記録を更新したのだそうだ。
昨年原作を読んだ時点で、今回は女性が主人公で、その舞台も大奥なので、今までの戦国武将が主人公の大型のドラマとは少々性格が違って、視聴率が下がるのではないかと思っていたが、なかなかどうして飛んだ思惑はずれだったようだ。今まで大河ドラマを見なかった女性や若い世代の視聴者が増えて視聴率が上がったのかもしれない。
大河ドラマは例年年末に総集編を放送するが、NHKに寄せられた視聴者の声に応えて、第1話からの集中アンコール放送を9月29日(月)からスタートするそうだ。最終回を迎える前に集中アンコール放送を行うのは過去にはなかったという。
2008年9月15日月曜日
次の抗がん剤
サイトの病歴を見ていただけると分かるが、私がガンの手術をしてから早くも5年を越えている。手術の1年後に再発して、抗がん剤のお世話になっているが、効果や副作用などですっきりしないのでこのブログでいろいろな愚痴や不満を書いているが、あまり贅沢は言ってはいられないという気持もある。
黒澤明「生きる」は50年ちょっと前の映画だが、志村喬演じる主人公が自分が余命1年の末期がんと知って、短い余生の中に打ち込む仕事を見つけて、本当の意味で「生きる」物語だった。映画の冒頭の部分でレントゲン写真1枚を見ながら向かい合う主人公と医師の場面を見て、今の医療との違いを感じざるを得なかった。もちろんCT、MRI、PETなどのガンを見つける機材はない。抗がん剤だってない。例えガンと分かっても打つ手がないのだから、当然不治の病だったのであろう。
手術療法の歴史は約100年、放射線療法の歴史は約50年、がんの治療に抗がん剤が用いられるようになってからは、たかだか35年ほどしかたっていないという。抗がん剤の最初はナイトロジェンマスタードという毒ガスの一種をを悪性リンパ腫の患者に投与したのが最初だっというから驚かされる。
私の場合、現在タルセバをやめて休薬中だが、次の抗がん剤の候補はドセタキセル、TS-1などだが、その前に目下静岡がんセンターで取り組んでいる治験薬への参加を提案されているので挑戦を決めた。その治験薬は分子標的薬の一種で、イレッサ、タルセバががん細胞のEGFRという箇所に作用するのに対して、新薬はまた別な箇所c-METに作用する薬だという。理論上正常細胞への影響が少なく、副作用が軽いという期待がされている。先行しているアメリカでの治験ではまだまだ実績は少ないのだが、そのような傾向が出ているようだ。
新薬なので未知の危険もあるが、それを承知で新薬への挑戦をする理由は、今まで抗がん剤2種、分子標的薬2種を試しているが、薬剤耐性になったり、副作用で断念している。既成の抗がん剤はいずれも低い確率でしか効果が期待できないからである。
といっても今回の治験は無条件に参加できるわけではない。3人の枠が予定されており、既に二人が決まっていて、さらに残り一枠に対して自分が3番目の候補者。本人が同意すればいろいろな適性検査を行ってひとりを決めるという手順になっている。
その適性検査は既に先日行ったので、結果は次の検診日(9/24)で判る。
黒澤明「生きる」は50年ちょっと前の映画だが、志村喬演じる主人公が自分が余命1年の末期がんと知って、短い余生の中に打ち込む仕事を見つけて、本当の意味で「生きる」物語だった。映画の冒頭の部分でレントゲン写真1枚を見ながら向かい合う主人公と医師の場面を見て、今の医療との違いを感じざるを得なかった。もちろんCT、MRI、PETなどのガンを見つける機材はない。抗がん剤だってない。例えガンと分かっても打つ手がないのだから、当然不治の病だったのであろう。
手術療法の歴史は約100年、放射線療法の歴史は約50年、がんの治療に抗がん剤が用いられるようになってからは、たかだか35年ほどしかたっていないという。抗がん剤の最初はナイトロジェンマスタードという毒ガスの一種をを悪性リンパ腫の患者に投与したのが最初だっというから驚かされる。
私の場合、現在タルセバをやめて休薬中だが、次の抗がん剤の候補はドセタキセル、TS-1などだが、その前に目下静岡がんセンターで取り組んでいる治験薬への参加を提案されているので挑戦を決めた。その治験薬は分子標的薬の一種で、イレッサ、タルセバががん細胞のEGFRという箇所に作用するのに対して、新薬はまた別な箇所c-METに作用する薬だという。理論上正常細胞への影響が少なく、副作用が軽いという期待がされている。先行しているアメリカでの治験ではまだまだ実績は少ないのだが、そのような傾向が出ているようだ。
新薬なので未知の危険もあるが、それを承知で新薬への挑戦をする理由は、今まで抗がん剤2種、分子標的薬2種を試しているが、薬剤耐性になったり、副作用で断念している。既成の抗がん剤はいずれも低い確率でしか効果が期待できないからである。
といっても今回の治験は無条件に参加できるわけではない。3人の枠が予定されており、既に二人が決まっていて、さらに残り一枠に対して自分が3番目の候補者。本人が同意すればいろいろな適性検査を行ってひとりを決めるという手順になっている。
その適性検査は既に先日行ったので、結果は次の検診日(9/24)で判る。
2008年9月8日月曜日
退院後初めての検診
9月1日に退院して、1週間がたつ。
今日は退院後肝臓の数値がどうなったかを確認することを目的とした検診だった。
やることはいつもと同じ、まず採血、そしてレントゲン撮影。そして診察室の前で検診を待つ。
がんセンターではどの病気も殆ど血液検査を行うので、いつも採血が混みあう。今日は休み明けのこともあってすごい混雑振りだった。採血を待つ人が採血室の外まであふれていた。いつもより早めに行ったのだが、それでも30人待ちだった。
混雑のことはよく知っているので、いつも採血室の一番奥の席に座り、文庫本を取り出して読むことにしている。約40分ぐらい待っただろうか、順番がきた。
レントゲンの後、診察室で呼ばれた。前回はただ事ではない雰囲気を漂わせていた先生も今日は穏やかな表情をしていた。案の定、血液の数値は合格だった。
GOT=28(10~40)、GPT=33(5~40) ()内は許容範囲
前回の異常な数値が信じられない。
レントゲン映像も(CTのように正確ではないが)変化は見られないという説明だった。
肝臓の数値も正常に戻ったので、飲んでいる肝臓の薬を今日でやめる。
私の気持としては肝臓の数値が正常になったので「さあ、次の抗がん剤を・・・」と、気持があせるのだが、「まぁまぁ」という感じで先生に諌められた。肝臓の数値上昇で身体にはかなりのムリがかかったので、身体を休める期間が必要。
カレンダーを見ながら9月22日にCT検査を行い、24日に次の方針を決めようということに決まった。やはりタルセバは使用を中止する。24日までに今までと違う抗がん剤の候補か、治験薬の候補を検討しておくということになった。
今日は退院後肝臓の数値がどうなったかを確認することを目的とした検診だった。
やることはいつもと同じ、まず採血、そしてレントゲン撮影。そして診察室の前で検診を待つ。
がんセンターではどの病気も殆ど血液検査を行うので、いつも採血が混みあう。今日は休み明けのこともあってすごい混雑振りだった。採血を待つ人が採血室の外まであふれていた。いつもより早めに行ったのだが、それでも30人待ちだった。
混雑のことはよく知っているので、いつも採血室の一番奥の席に座り、文庫本を取り出して読むことにしている。約40分ぐらい待っただろうか、順番がきた。
レントゲンの後、診察室で呼ばれた。前回はただ事ではない雰囲気を漂わせていた先生も今日は穏やかな表情をしていた。案の定、血液の数値は合格だった。
GOT=28(10~40)、GPT=33(5~40) ()内は許容範囲
前回の異常な数値が信じられない。
レントゲン映像も(CTのように正確ではないが)変化は見られないという説明だった。
肝臓の数値も正常に戻ったので、飲んでいる肝臓の薬を今日でやめる。
私の気持としては肝臓の数値が正常になったので「さあ、次の抗がん剤を・・・」と、気持があせるのだが、「まぁまぁ」という感じで先生に諌められた。肝臓の数値上昇で身体にはかなりのムリがかかったので、身体を休める期間が必要。
カレンダーを見ながら9月22日にCT検査を行い、24日に次の方針を決めようということに決まった。やはりタルセバは使用を中止する。24日までに今までと違う抗がん剤の候補か、治験薬の候補を検討しておくということになった。
2008年9月2日火曜日
無事退院
昨日9月1日(月)無事退院した。
朝、採血して、結果の数値が前回より下がっているようなら、退院して、自宅で飲み薬での治療に変えると言われていた。
採血結果はGTP=135。まだ正常値よりやや高いが、自宅で薬を服用すれば下がる目途が付いたということで退院となった。
入院から13日目、ドタバタの13日間だった。
今回の入院はガンの治療ではなく、治療用の薬を服用したことでその副作用での入院だった。
ガンという病気の難しさは治療に使用する抗がん剤のどれをとっても、激しい副作用があり、その副作用で命を落とすことも珍しくはない。
医師がガンに対する治療方針を説明する際、2つぐらいの選択肢を上げ、3つ目に必ず「何もしない」という選択肢を付け加える。このことはどの抗がん剤にも必ず副作用があり、抗がん剤で命を落とす危険性を覚悟せよということ、そしてそれと闘う姿勢を持たなければ治療に絶えられないということを示している。
患者によっては激しい副作用に耐えるぐらいなら、ガンを受け入れ、安楽に暮らした方がよいという患者も結構多いようだ。それも一つの選択肢でその考え方は尊重しなければならない。そして、場合によっては副作用で命を落としたり、副作用の苦しさで寿命を縮め、結果的に何もしない方が良かったという場合もある。
それでも私の場合は現在のところ(将来は分からないが)人一倍好奇心が強いせいか、まだまだ生きていろいろなものを見てみたいという気持が強い。従って、どの抗がん剤にトライしようとも、どんなに副作用が苦しくても、生きる可能性の方に賭けたいという考え方に変化はない。
今後の予定は1週間後の9月8日(月)定期検診をして、その後の治療方針を決める。残念ながら、タルセバは私の場合、肝臓への影響が重篤なので服用は中止する方針のようだ。当日午後「骨シンチ」受診(転移の検査)。
朝、採血して、結果の数値が前回より下がっているようなら、退院して、自宅で飲み薬での治療に変えると言われていた。
採血結果はGTP=135。まだ正常値よりやや高いが、自宅で薬を服用すれば下がる目途が付いたということで退院となった。
入院から13日目、ドタバタの13日間だった。
今回の入院はガンの治療ではなく、治療用の薬を服用したことでその副作用での入院だった。
ガンという病気の難しさは治療に使用する抗がん剤のどれをとっても、激しい副作用があり、その副作用で命を落とすことも珍しくはない。
医師がガンに対する治療方針を説明する際、2つぐらいの選択肢を上げ、3つ目に必ず「何もしない」という選択肢を付け加える。このことはどの抗がん剤にも必ず副作用があり、抗がん剤で命を落とす危険性を覚悟せよということ、そしてそれと闘う姿勢を持たなければ治療に絶えられないということを示している。
患者によっては激しい副作用に耐えるぐらいなら、ガンを受け入れ、安楽に暮らした方がよいという患者も結構多いようだ。それも一つの選択肢でその考え方は尊重しなければならない。そして、場合によっては副作用で命を落としたり、副作用の苦しさで寿命を縮め、結果的に何もしない方が良かったという場合もある。
それでも私の場合は現在のところ(将来は分からないが)人一倍好奇心が強いせいか、まだまだ生きていろいろなものを見てみたいという気持が強い。従って、どの抗がん剤にトライしようとも、どんなに副作用が苦しくても、生きる可能性の方に賭けたいという考え方に変化はない。
今後の予定は1週間後の9月8日(月)定期検診をして、その後の治療方針を決める。残念ながら、タルセバは私の場合、肝臓への影響が重篤なので服用は中止する方針のようだ。当日午後「骨シンチ」受診(転移の検査)。
2008年8月30日土曜日
予期せぬ緊急入院
しばらくブログの更新ができなかった。いつも訪問される方は「どうしたのだろう?」という疑いをもたれる方もおられるだろうし、オリンピックに夢中になってその後も怠け癖が付いてブログ更新は2の次になっているのだろうと考えられて方もおられるであろう。それにしても8月14日以来だから、ほぼ半月間・・・実は更新したくてもできない状況におかれていた。
8月20日(水)タルセバを飲み初めて5錠目、いつもの検診のために病院へ足を運んだ。
いつもの通り、採血、レントゲン撮影を終えて、主治医の先生の部屋へ入った。どうも先生の雰囲気がただごとではない。
それもそのはず、血液検査の肝臓の数値が異常値を示している。GPT(正常値5~40)が1,025、かつて経験のないびっくりの数値である。その他の肝臓関連の数値もそれほどではないもののそれぞれ異常に高い。
その場で緊急入院を厳命された。入院準備のために家に戻ることも許されなかった。一通りの入院手続きをした後、診察室に戻ると車椅子が用意されていた。「自分で歩けます」といっても許してもらえない。自分はそのまま病室へ、たまたまその日は同行していた家内が家に帰り、入院準備をして再度病院へ戻ってくれた。
これといった自覚症状はあまりない。言われてみれば、多少食欲がない、何となくだるい・・・夏は例年そんな感じなので、気にも留めていなかった。
心当たりとしては、タルセバの副作用・・・1ヶ月ほど前GPTが300ぐらいまで上がったが、正常値に戻ったので安心していたが、再度飲み始めて異常に反応したのだろう。それに加えてガンとは無関係だったのでこのブログには書かなかったが、10日ほど前、39度の熱が出て夜間急遽がんセンターを訪れて診察を受けたことがあった。急性の「前立腺炎」という診断で解熱剤、抗菌剤、尿の出をよくする薬を渡されて一日3回(タルセバと並行して)服用していた。抗菌剤は抗生物質なので、(これは自分の想像だが)あるいはその影響もあったのかも?
とにかく、絶対安静の状態。疑いは薬物性肝障害、最悪の場合で劇症肝炎。数値だけは異常値だが、幸いにその前にもその後にも、疑いの病気の症状(だるさ、黄疸等)は現れない。
服用中の薬はすべて中断して、とにかく安静にすることを指示された。病室のドアから外に出ることは禁止。でも体調はよく、病気らしい症状はない。元気そのものなので歩きたくて仕方がない(これは入院初日から現在まで同じである)。入院翌日、手続きの書類を出すために同じフロアにある事務へ行こうとドアを出たところで偶然看護師さんと鉢合わせ。「○○さん、部屋から出ては駄目ですよ」と「書類は私が出しておきます」と取り上げられて部屋へ押し戻された。レントゲンとか診察とか5階の病室から2階へ移動する時も必ず車椅子が用意され、付き添いが付いた。
朝から夜までオリンピック放送があったので、幸い寝ていても退屈はしない。その代わりテレビカードがどんどん減っていく。
治療は「強力ネオミノファーゲンシー」という肝臓疾患の薬を毎日40CC注射する。通常この病気は食事が摂れない(らしい)ので、栄養剤の点滴をする。初日のみこの点滴をしたが、私の場合は食事が普通に摂れたのでこの点滴は初日のみで終った。
初日のレントゲンやエコー(劇症肝炎になると意識がなくなり、肝臓が崩れることがあるらしい)などの検査でも特に異常は見つからなかった。後はひたすら安静にして定期的に採血して数値の変化を見た。幸い、初日の1,025という異常値は採血する度に下がり、入院から9日目の28日にはGPTも236まで下がり、その日注射から錠剤(ウルソ50)に変わった。最悪の劇症肝炎には至らずに済んだ。
そして、この頃から絶対安静から同じフロアなら歩いても良いという許可がおりた。横浜に住む娘が見舞い兼手伝いに来てくれたので、家からノートパソコンを運んでもらい、ようやく半月ぶりに病室でブログを見ることができた。ホームページの方は家のデスクトップパソコンにしか入っていないので、退院しないと更新できないが、ブログだけは病室で更新できるようになった。
今回の肝臓疾患はタルセバの副作用だろうが、この重症化が誰にでも起きるかというとそこまでは考える必要はないようだ。劇症肝炎に至ると、間質性肺炎にも匹敵する命にかかわる重度な副作用となる。イレッサにもタルセバにも肝臓の数値を上げる副作用はあるが、一般的にはそれほど重度な副作用とはならない。ただ注意しなくてはならないことはどの薬剤にも薬剤性肝障害を起す可能性はあり(その人の体調や、いくつかの要因が重なった時)、最悪の場合は劇症肝炎に至る危険性があるようだ。タルセバやイレッサを服用されている方はこのことを頭の片隅に置いておいた方が良いと思う。
定期健診は通常2週間に一度なのだが、今回の検診は担当の医師が夏休みをとる関係で、たまたま予定の日より1週間早めた。もし肝臓の数値が上がっていることを知らずに同じ薬をさらに1週間続けていたら最悪の事態に至っていた恐れがあった。命拾いをしたと後で冷や汗をかいた。この偶然は神様か仏様のご褒美かもしれない(といってもあまりご褒美をもらえる心当たりはないのだが)。
抗がん剤の方はタルセバを中断したままなので、体調が回復した後はどうするのかという問題は残る。患者本人も心配の種だが、医師もその選択肢に悩むことであろう。一難去って、また一難である。
今後の予定・・・9月1日(月)の採血結果で退院予定を決める。
8月20日(水)タルセバを飲み初めて5錠目、いつもの検診のために病院へ足を運んだ。
いつもの通り、採血、レントゲン撮影を終えて、主治医の先生の部屋へ入った。どうも先生の雰囲気がただごとではない。
それもそのはず、血液検査の肝臓の数値が異常値を示している。GPT(正常値5~40)が1,025、かつて経験のないびっくりの数値である。その他の肝臓関連の数値もそれほどではないもののそれぞれ異常に高い。
その場で緊急入院を厳命された。入院準備のために家に戻ることも許されなかった。一通りの入院手続きをした後、診察室に戻ると車椅子が用意されていた。「自分で歩けます」といっても許してもらえない。自分はそのまま病室へ、たまたまその日は同行していた家内が家に帰り、入院準備をして再度病院へ戻ってくれた。
これといった自覚症状はあまりない。言われてみれば、多少食欲がない、何となくだるい・・・夏は例年そんな感じなので、気にも留めていなかった。
心当たりとしては、タルセバの副作用・・・1ヶ月ほど前GPTが300ぐらいまで上がったが、正常値に戻ったので安心していたが、再度飲み始めて異常に反応したのだろう。それに加えてガンとは無関係だったのでこのブログには書かなかったが、10日ほど前、39度の熱が出て夜間急遽がんセンターを訪れて診察を受けたことがあった。急性の「前立腺炎」という診断で解熱剤、抗菌剤、尿の出をよくする薬を渡されて一日3回(タルセバと並行して)服用していた。抗菌剤は抗生物質なので、(これは自分の想像だが)あるいはその影響もあったのかも?
とにかく、絶対安静の状態。疑いは薬物性肝障害、最悪の場合で劇症肝炎。数値だけは異常値だが、幸いにその前にもその後にも、疑いの病気の症状(だるさ、黄疸等)は現れない。
服用中の薬はすべて中断して、とにかく安静にすることを指示された。病室のドアから外に出ることは禁止。でも体調はよく、病気らしい症状はない。元気そのものなので歩きたくて仕方がない(これは入院初日から現在まで同じである)。入院翌日、手続きの書類を出すために同じフロアにある事務へ行こうとドアを出たところで偶然看護師さんと鉢合わせ。「○○さん、部屋から出ては駄目ですよ」と「書類は私が出しておきます」と取り上げられて部屋へ押し戻された。レントゲンとか診察とか5階の病室から2階へ移動する時も必ず車椅子が用意され、付き添いが付いた。
朝から夜までオリンピック放送があったので、幸い寝ていても退屈はしない。その代わりテレビカードがどんどん減っていく。
治療は「強力ネオミノファーゲンシー」という肝臓疾患の薬を毎日40CC注射する。通常この病気は食事が摂れない(らしい)ので、栄養剤の点滴をする。初日のみこの点滴をしたが、私の場合は食事が普通に摂れたのでこの点滴は初日のみで終った。
初日のレントゲンやエコー(劇症肝炎になると意識がなくなり、肝臓が崩れることがあるらしい)などの検査でも特に異常は見つからなかった。後はひたすら安静にして定期的に採血して数値の変化を見た。幸い、初日の1,025という異常値は採血する度に下がり、入院から9日目の28日にはGPTも236まで下がり、その日注射から錠剤(ウルソ50)に変わった。最悪の劇症肝炎には至らずに済んだ。
そして、この頃から絶対安静から同じフロアなら歩いても良いという許可がおりた。横浜に住む娘が見舞い兼手伝いに来てくれたので、家からノートパソコンを運んでもらい、ようやく半月ぶりに病室でブログを見ることができた。ホームページの方は家のデスクトップパソコンにしか入っていないので、退院しないと更新できないが、ブログだけは病室で更新できるようになった。
今回の肝臓疾患はタルセバの副作用だろうが、この重症化が誰にでも起きるかというとそこまでは考える必要はないようだ。劇症肝炎に至ると、間質性肺炎にも匹敵する命にかかわる重度な副作用となる。イレッサにもタルセバにも肝臓の数値を上げる副作用はあるが、一般的にはそれほど重度な副作用とはならない。ただ注意しなくてはならないことはどの薬剤にも薬剤性肝障害を起す可能性はあり(その人の体調や、いくつかの要因が重なった時)、最悪の場合は劇症肝炎に至る危険性があるようだ。タルセバやイレッサを服用されている方はこのことを頭の片隅に置いておいた方が良いと思う。
定期健診は通常2週間に一度なのだが、今回の検診は担当の医師が夏休みをとる関係で、たまたま予定の日より1週間早めた。もし肝臓の数値が上がっていることを知らずに同じ薬をさらに1週間続けていたら最悪の事態に至っていた恐れがあった。命拾いをしたと後で冷や汗をかいた。この偶然は神様か仏様のご褒美かもしれない(といってもあまりご褒美をもらえる心当たりはないのだが)。
抗がん剤の方はタルセバを中断したままなので、体調が回復した後はどうするのかという問題は残る。患者本人も心配の種だが、医師もその選択肢に悩むことであろう。一難去って、また一難である。
今後の予定・・・9月1日(月)の採血結果で退院予定を決める。
2008年8月14日木曜日
タルセバ再開
昨日13日(水)は呼吸器内科の検診日だった。
連日の猛暑と、オリンピック中継見たさに外出が憂鬱になる。おまけに昨日は高校野球で地元が出場した。エースピッチャーのケガで苦戦が予想された。病院の待合室で地元が1回で既に5-0で負けているという会話が耳に入り、見なくて良かったか?と思いながら家に戻ったら、11点取って逆転勝ちしていた。面白そうなゲームだったようで、損をした気分だった。
ところで検診の方だが、前回と前々回、肝臓の数値が高かったので、タルセバを休薬している。今回の検診は血液検査で肝臓の数値を確認することだった。
昨日の血液検査の結果、肝臓の数値は許容値より若干高いものの、原因が取り除かれたと思われる範囲まで下がったので、タルセバを明日より再開するということになった。
但し、前回はタルセバの容量が150mgだったが、今回は100mgと若干容量を落として副作用の具合をみる。
タルセバには150、100、25㎎の3種ある。組み合わせで(例えば75、125㎎等)いろいろな服用量の微調整ができるようになっているようだ。
「150から100に変更した患者さんの副作用は軽くなっていますか?」という私の問いに対して担当医師の答は「皮膚疾患は軽くなる方が多いようだ。ただ爪だけは変わらないように思う」というもの。
当然副作用の出方は患者のひとりひとりで異なることは心得ているが、医師の言葉を自分のケースに照らし合わせて想像を働かせる。皮膚疾患が軽くなりそうな点には少し安心したが、指の痛さを想像すると憂鬱な感じも残る。
ということで、本日の10時、1ヶ月ぶりに再開のタルセバの1錠目を服用した。
連日の猛暑と、オリンピック中継見たさに外出が憂鬱になる。おまけに昨日は高校野球で地元が出場した。エースピッチャーのケガで苦戦が予想された。病院の待合室で地元が1回で既に5-0で負けているという会話が耳に入り、見なくて良かったか?と思いながら家に戻ったら、11点取って逆転勝ちしていた。面白そうなゲームだったようで、損をした気分だった。
ところで検診の方だが、前回と前々回、肝臓の数値が高かったので、タルセバを休薬している。今回の検診は血液検査で肝臓の数値を確認することだった。
昨日の血液検査の結果、肝臓の数値は許容値より若干高いものの、原因が取り除かれたと思われる範囲まで下がったので、タルセバを明日より再開するということになった。
但し、前回はタルセバの容量が150mgだったが、今回は100mgと若干容量を落として副作用の具合をみる。
タルセバには150、100、25㎎の3種ある。組み合わせで(例えば75、125㎎等)いろいろな服用量の微調整ができるようになっているようだ。
「150から100に変更した患者さんの副作用は軽くなっていますか?」という私の問いに対して担当医師の答は「皮膚疾患は軽くなる方が多いようだ。ただ爪だけは変わらないように思う」というもの。
当然副作用の出方は患者のひとりひとりで異なることは心得ているが、医師の言葉を自分のケースに照らし合わせて想像を働かせる。皮膚疾患が軽くなりそうな点には少し安心したが、指の痛さを想像すると憂鬱な感じも残る。
ということで、本日の10時、1ヶ月ぶりに再開のタルセバの1錠目を服用した。
2008年8月10日日曜日
北京五輪開幕
しばらく悩まされた指の痛めは、タルセバの休薬で先週あたりにようやく消えた。
痛みのためにこのブログもしばらくお休みしてしまった。
ブログも先週あたりに復活したかったが、怠け癖がついたせいかなかなか書けなくなった。
そうこうするうちに北京五輪が始まってしまった。実況中継は朝から夜まで絶え間なくあるので、またまたブログの更新が滞りそうだ。
それにしても、8日の開会式はすごかった。その金のかけ方と人海戦術、訓練は相当なものだったのだろうと想像できる。北朝鮮のマスゲームと通じるものを感じた。
ショーとしてはすばらしいものだったが、あまりの「国威発揚」色の強さに少々辟易とする感じはする。オリンピックもワールドカップも過去国威発揚として使われた例は少なくないが、ここ何回か(バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ)成熟度の高い国での比較的質素な開会式が続いたので、今回は特に強くそれを感じる。
元々オリンピックはスポーツ大会、運動会の延長ぐらいでちょうど良いと思う。従って開会式は夜よりもスポーツの祭典らしく、青空の下の方が気持はよい。
そして選手も応援もあまり肩に力が入り過ぎない方が結果はよくなることが多そうだ。日本も昔よりはずいぶん成熟した考え方にはなったが、まだまだ国を背負った考え方が結構強く残っている。
それにしてもマスコミの事前の期待過多の報道は何とかならないものか。選手を硬くさせる効果しかない。終わった後の勝利者に対しては多少過剰でもよいが、敗者の報道は温かみを持って控えめにしてもらいたいものだ。
これからはしばらくは、1スポーツファンとして高レベルのガチンコ勝負のスリルをたっぷり楽しみたい。
痛みのためにこのブログもしばらくお休みしてしまった。
ブログも先週あたりに復活したかったが、怠け癖がついたせいかなかなか書けなくなった。
そうこうするうちに北京五輪が始まってしまった。実況中継は朝から夜まで絶え間なくあるので、またまたブログの更新が滞りそうだ。
それにしても、8日の開会式はすごかった。その金のかけ方と人海戦術、訓練は相当なものだったのだろうと想像できる。北朝鮮のマスゲームと通じるものを感じた。
ショーとしてはすばらしいものだったが、あまりの「国威発揚」色の強さに少々辟易とする感じはする。オリンピックもワールドカップも過去国威発揚として使われた例は少なくないが、ここ何回か(バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ)成熟度の高い国での比較的質素な開会式が続いたので、今回は特に強くそれを感じる。
元々オリンピックはスポーツ大会、運動会の延長ぐらいでちょうど良いと思う。従って開会式は夜よりもスポーツの祭典らしく、青空の下の方が気持はよい。
そして選手も応援もあまり肩に力が入り過ぎない方が結果はよくなることが多そうだ。日本も昔よりはずいぶん成熟した考え方にはなったが、まだまだ国を背負った考え方が結構強く残っている。
それにしてもマスコミの事前の期待過多の報道は何とかならないものか。選手を硬くさせる効果しかない。終わった後の勝利者に対しては多少過剰でもよいが、敗者の報道は温かみを持って控えめにしてもらいたいものだ。
これからはしばらくは、1スポーツファンとして高レベルのガチンコ勝負のスリルをたっぷり楽しみたい。
2008年8月6日水曜日
内科検診 休薬さらに1週間延長
前回肝臓の数値が高かったので、服用していた薬を1週間休薬した。従って今日の検診の目的は血液検査をして、肝臓の数値を確認することだった。
今回の血液検査の結果
GOT 48(10~40)、GTP 119(5~40) ()内は許容値。
この数値は前回に比べると、およそ3分の1に下がった。ただ、許容範囲に比べるとまだ高い。
原因ははっきりしない。可能性としてはタルセバの残留成分による、皮膚関連の薬剤による・・・等々が考えられるが、この1週間で数値が下がったということは服用していた薬によるものであることは間違いないようだ。両方やめているので、どちらかの薬が原因かは分からない。皮膚関連(アレルギー予防)の薬は以前から度々服用しているし、副作用として肝臓の数値が上がる事例は少ないということから、多分タルセバだろうとは思う。
今日の数値ではタルセバ再開をするには不安があるので、さらにもう1週間休薬を延長して(~8/13・合計4週間)、1週間後に肝臓数値が下がったらタルセバの容量を落として(150→100㎎副作用を軽減)再度服用を再開しようということになった。
がん治療はしばらく間があくが、私の本音としてはこの暑い期間はタルセバはできるだけ先へ延ばしたい。この暑くて汗をかく時期には皮膚疾患は結構つらいからである。
がん細胞にも夏休みを取ってもらって、しばらくおとなしくしていてもらいたいものだ。
冷房のきいた部屋で北京オリンピックを楽しんでいるうちにはやがて涼しい時期になるだろう。そして秋に向けて覚悟を決めて闘いを再開しようと思う。
今回の血液検査の結果
GOT 48(10~40)、GTP 119(5~40) ()内は許容値。
この数値は前回に比べると、およそ3分の1に下がった。ただ、許容範囲に比べるとまだ高い。
原因ははっきりしない。可能性としてはタルセバの残留成分による、皮膚関連の薬剤による・・・等々が考えられるが、この1週間で数値が下がったということは服用していた薬によるものであることは間違いないようだ。両方やめているので、どちらかの薬が原因かは分からない。皮膚関連(アレルギー予防)の薬は以前から度々服用しているし、副作用として肝臓の数値が上がる事例は少ないということから、多分タルセバだろうとは思う。
今日の数値ではタルセバ再開をするには不安があるので、さらにもう1週間休薬を延長して(~8/13・合計4週間)、1週間後に肝臓数値が下がったらタルセバの容量を落として(150→100㎎副作用を軽減)再度服用を再開しようということになった。
がん治療はしばらく間があくが、私の本音としてはこの暑い期間はタルセバはできるだけ先へ延ばしたい。この暑くて汗をかく時期には皮膚疾患は結構つらいからである。
がん細胞にも夏休みを取ってもらって、しばらくおとなしくしていてもらいたいものだ。
冷房のきいた部屋で北京オリンピックを楽しんでいるうちにはやがて涼しい時期になるだろう。そして秋に向けて覚悟を決めて闘いを再開しようと思う。
2008年7月30日水曜日
定期検診 休薬1週間延長
タルセバを休薬して本日で2週間経過した。
副作用の状況は最もてこずった皮膚疾患は各部とも湿疹の跡は若干残るものの、ほぼ治まった。
ただ爪皮疹のみがまだ完治まで至らない。それでも、痛みは軽くなり、ピーク時の3分の1ぐらいだろうか。物に触れると若干痛いが、シャツのボタンやパソコンの入力などはできるようになっている。あとしばらくで消えそうな予感はある。
本来は今日の状態で再度今日からタルセバ再スタートになるはずだった。ところが、今日行った血液検査で肝臓の数値が高く出た。
GOT 107(10~40)、GTP 331(5~40) ()内は許容値。
原因ははっきりしない。可能性としてはタルセバの残留成分による、皮膚関連の薬剤による・・・等々が考えられるが、イレッサでも肝臓の数値が高く出た実績があるのでタルセバの副作用である可能性が高い。
肝臓数値の上昇もタルセバの副作用の一つなので、あと1週間休薬を延長して、肝臓数値が落ち着くのを待つことにしようということになった。肝臓の薬剤を除いてはすべての薬剤(皮膚関係)を飲まないで、1週間後に再度血液検査をして次の方針を決める
休薬1週間延長(~8/4・合計3週間)して次週次の方針を決める。
予期せぬ結果になったが、癌の治療という面では若干の心配はあるが、副作用の状態が予想以上だったために本音では再開延期でほっとした面もある。
あと1週間、爪の状態も完治させて次の挑戦の覚悟を固めるにはちょどよい期間になると思っている。
副作用の状況は最もてこずった皮膚疾患は各部とも湿疹の跡は若干残るものの、ほぼ治まった。
ただ爪皮疹のみがまだ完治まで至らない。それでも、痛みは軽くなり、ピーク時の3分の1ぐらいだろうか。物に触れると若干痛いが、シャツのボタンやパソコンの入力などはできるようになっている。あとしばらくで消えそうな予感はある。
本来は今日の状態で再度今日からタルセバ再スタートになるはずだった。ところが、今日行った血液検査で肝臓の数値が高く出た。
GOT 107(10~40)、GTP 331(5~40) ()内は許容値。
原因ははっきりしない。可能性としてはタルセバの残留成分による、皮膚関連の薬剤による・・・等々が考えられるが、イレッサでも肝臓の数値が高く出た実績があるのでタルセバの副作用である可能性が高い。
肝臓数値の上昇もタルセバの副作用の一つなので、あと1週間休薬を延長して、肝臓数値が落ち着くのを待つことにしようということになった。肝臓の薬剤を除いてはすべての薬剤(皮膚関係)を飲まないで、1週間後に再度血液検査をして次の方針を決める
休薬1週間延長(~8/4・合計3週間)して次週次の方針を決める。
予期せぬ結果になったが、癌の治療という面では若干の心配はあるが、副作用の状態が予想以上だったために本音では再開延期でほっとした面もある。
あと1週間、爪の状態も完治させて次の挑戦の覚悟を固めるにはちょどよい期間になると思っている。
2008年7月23日水曜日
定期検診 CTの結果
タルセバを休薬して1週間が経過した。
薬をやめたからといって、副作用はすぐには消えない。タルセバの成分が血液中に残っている間は効能と同時に副作用もなかなか消えないようだ。
今日時点での副作用の皮膚疾患の状況はどうかというと、いちばん悪かったときを10とすると、頭と顔・2、両腕・3、足・6、背中8といったところ。爪も若干は良くなっているが、物に触れると痛いということは変わらないため、不自由をしている点では変わらない。
早く出始めた順に治りつつあるようだ。全部消えるのはまだしばらくかかりそうだ。
〔16日撮影のCT結果について〕全体の奏功があったとはいえないが、部分的に濃さが薄くなっているところが見受けられる。病勢コントロールの状態といえるので、タルセバを続ける価値はある。但し、副作用が強く出ているので、もう1週間休薬をして一旦副作用を消して、来週から再スタートする。
タルセバには同じ薬でも150mg、100mg、25mgと3種の容量がある(今回は150mg)。再スタートに当たってはどのように服用するかは次回までに検討する。
副作用は本当に厄介なものだ。今まで何種かの抗がん剤を試しているが、それぞれ副作用には悩まされている。それでも今回はいちばん応えたという感がする。今日は休薬1週間で顔の皮疹が大分消えたのでマスクを着用しなかったが、他の部分は今でもとても人には見せられない。
人に分かりにくいのが爪皮疹、パソコン操作ではマウスは使えるが、キーボードの打ち込みは爪が痛くてなかなか打てない。記事更新もなかなかできないでいる。この記事も普段の3倍ぐらいの時間がかかっている。
「敵は本能寺」再スタートは量を減らして癌との戦いとなるが、できるだけ歩きやすい道を選びながら敵を攻める・・ということか。途中で転んでしまっては敵は討てない。
薬をやめたからといって、副作用はすぐには消えない。タルセバの成分が血液中に残っている間は効能と同時に副作用もなかなか消えないようだ。
今日時点での副作用の皮膚疾患の状況はどうかというと、いちばん悪かったときを10とすると、頭と顔・2、両腕・3、足・6、背中8といったところ。爪も若干は良くなっているが、物に触れると痛いということは変わらないため、不自由をしている点では変わらない。
早く出始めた順に治りつつあるようだ。全部消えるのはまだしばらくかかりそうだ。
〔16日撮影のCT結果について〕全体の奏功があったとはいえないが、部分的に濃さが薄くなっているところが見受けられる。病勢コントロールの状態といえるので、タルセバを続ける価値はある。但し、副作用が強く出ているので、もう1週間休薬をして一旦副作用を消して、来週から再スタートする。
タルセバには同じ薬でも150mg、100mg、25mgと3種の容量がある(今回は150mg)。再スタートに当たってはどのように服用するかは次回までに検討する。
副作用は本当に厄介なものだ。今まで何種かの抗がん剤を試しているが、それぞれ副作用には悩まされている。それでも今回はいちばん応えたという感がする。今日は休薬1週間で顔の皮疹が大分消えたのでマスクを着用しなかったが、他の部分は今でもとても人には見せられない。
人に分かりにくいのが爪皮疹、パソコン操作ではマウスは使えるが、キーボードの打ち込みは爪が痛くてなかなか打てない。記事更新もなかなかできないでいる。この記事も普段の3倍ぐらいの時間がかかっている。
「敵は本能寺」再スタートは量を減らして癌との戦いとなるが、できるだけ歩きやすい道を選びながら敵を攻める・・ということか。途中で転んでしまっては敵は討てない。
2008年7月16日水曜日
CT撮影・定期検診
タルセバ服用は今日で35錠目になる。
今日は9:30からCT撮影、その後皮膚科検診、続いて退院後2度目の定期検診だった。
この病院ではCTを撮影後専門家がチェックして、コメントをつけて医師に回すシステムなので、今日の定期検診ではCTの正式な結果は間に合わなかった。ただ、先生が画像を見ることができるので、その結果を教えてくれた。私の場合は右肺内にガン組織が複数あるが、そのすべてが半分になるといった劇的な効果はなかったようだ。それでも部分部分に前回のCT画像より薄いものがあるので、一定の効果はあったというのが先生の見方のようだ。
多少なりとも効果がある場合、本来ならこのまま服用を継続したいところだが、私の場合かなり副作用が強く出ている。主体は皮膚疾患だが、患者自身がガマンできるなら継続もあるのかもしれないが、私が少々弱気になっているのを見てかどうか、とにかく1週間休薬しようということになった。
1週間後、正式なCTの結果と副作用の状況をみてその後の治療方針を決めようということである。
カミさんなどは癌を小さくしたいので、このまま続けたい意向のようだ。せっかく多少なりとも効果があるのなら後戻りはさせたくはないというのは当然の考え方だ。副作用といっても皮膚疾患程度だから・・・というように感じるようだ。
しかし、たかが皮膚疾患といっても頭から足先まで全身を皮膚疾患に襲われると、そのストレスは結構なものだ。なかなか本人でないと分からない。
頭、顔、両腕、腹、背中、足。場所により程度は様々だが、全身に皮疹が出ている。
普通の皮疹は慣れて来たが、今いちばん厄介に感じているのが、爪の皮疹と尻の皮疹。爪は両手と足の爪に出ている。爪の皮疹は触ると痛いので何もできなくなる。ボタンが掛けられない、パソコンが打てない・・いろいろな行動が制約される。
尻の皮疹は座るときと立つときに痛む。これも厄介だ。横になっていれば良いのだが、そうはいかない。横になっていればどんどん病人になることが分かっているので、できるだけ家の内部を動き回るようにしている。
休薬することで副作用をいったん抑えて、次には薬の量を変えながら良いバランスのところを探しながら治療を続けられたら良いと思う。
症状の詳細は「tamyのつぶやき」→「闘病記(タルセバ服用)」参照。
今日は9:30からCT撮影、その後皮膚科検診、続いて退院後2度目の定期検診だった。
この病院ではCTを撮影後専門家がチェックして、コメントをつけて医師に回すシステムなので、今日の定期検診ではCTの正式な結果は間に合わなかった。ただ、先生が画像を見ることができるので、その結果を教えてくれた。私の場合は右肺内にガン組織が複数あるが、そのすべてが半分になるといった劇的な効果はなかったようだ。それでも部分部分に前回のCT画像より薄いものがあるので、一定の効果はあったというのが先生の見方のようだ。
多少なりとも効果がある場合、本来ならこのまま服用を継続したいところだが、私の場合かなり副作用が強く出ている。主体は皮膚疾患だが、患者自身がガマンできるなら継続もあるのかもしれないが、私が少々弱気になっているのを見てかどうか、とにかく1週間休薬しようということになった。
1週間後、正式なCTの結果と副作用の状況をみてその後の治療方針を決めようということである。
カミさんなどは癌を小さくしたいので、このまま続けたい意向のようだ。せっかく多少なりとも効果があるのなら後戻りはさせたくはないというのは当然の考え方だ。副作用といっても皮膚疾患程度だから・・・というように感じるようだ。
しかし、たかが皮膚疾患といっても頭から足先まで全身を皮膚疾患に襲われると、そのストレスは結構なものだ。なかなか本人でないと分からない。
頭、顔、両腕、腹、背中、足。場所により程度は様々だが、全身に皮疹が出ている。
普通の皮疹は慣れて来たが、今いちばん厄介に感じているのが、爪の皮疹と尻の皮疹。爪は両手と足の爪に出ている。爪の皮疹は触ると痛いので何もできなくなる。ボタンが掛けられない、パソコンが打てない・・いろいろな行動が制約される。
尻の皮疹は座るときと立つときに痛む。これも厄介だ。横になっていれば良いのだが、そうはいかない。横になっていればどんどん病人になることが分かっているので、できるだけ家の内部を動き回るようにしている。
休薬することで副作用をいったん抑えて、次には薬の量を変えながら良いバランスのところを探しながら治療を続けられたら良いと思う。
症状の詳細は「tamyのつぶやき」→「闘病記(タルセバ服用)」参照。
2008年7月10日木曜日
爪皮疹
「爪皮疹」という言葉があるのかどうか確かではない(前にこう聞いたような気がするので使っているが)。タルセバの副作用で「爪の左右の肉に炎症が起きる症状」のことだが、今この副作用に悩まされている。
副作用でなくとも、深爪でもそうなるので、がん患者でなくても何となく分かってもらえると思うが、右手は人差し指と薬指、左手は人差し指と中指がそうなっている。足も右足の親指にその傾向が出てきている。
支給された薬をつけて包帯を巻いている。
何もしなければ痛みはないのだが、何かにぶつけたり、触ったときなどに痛みを感じる。時々無意識に何かに思い切り指をぶつけて、痛みで飛び上がることがある。
それ自体はたいした副作用ではないのだが、通常の行動がかなり制限されて不自由なことこの上ない。パソコンも両手では文字が打てないので、昔のように痛くない指1本で入力していて、通常の何倍もの時間がかかる。しばらくは記事の更新も思うようにはいかないかもしれない。
タルセバは今日で29錠目になる。最初に皮膚疾患が身体から出て、次に顔や頭に出た。その後下痢をして、今は爪の障害・・・幸い肺炎や肝臓等々重篤な副作用は出ていないが、軽い副作用は殆ど順を追ってオンパレードだ。
効いているのかどうかは1週間後のCTで分かる。その後は副作用と相談をしながら、量や期間など調整できる。それでも効かなければ今の忍耐生活がすべて水の泡となる。とにかく効いてくれることを望むばかりである。
副作用でなくとも、深爪でもそうなるので、がん患者でなくても何となく分かってもらえると思うが、右手は人差し指と薬指、左手は人差し指と中指がそうなっている。足も右足の親指にその傾向が出てきている。
支給された薬をつけて包帯を巻いている。
何もしなければ痛みはないのだが、何かにぶつけたり、触ったときなどに痛みを感じる。時々無意識に何かに思い切り指をぶつけて、痛みで飛び上がることがある。
それ自体はたいした副作用ではないのだが、通常の行動がかなり制限されて不自由なことこの上ない。パソコンも両手では文字が打てないので、昔のように痛くない指1本で入力していて、通常の何倍もの時間がかかる。しばらくは記事の更新も思うようにはいかないかもしれない。
タルセバは今日で29錠目になる。最初に皮膚疾患が身体から出て、次に顔や頭に出た。その後下痢をして、今は爪の障害・・・幸い肺炎や肝臓等々重篤な副作用は出ていないが、軽い副作用は殆ど順を追ってオンパレードだ。
効いているのかどうかは1週間後のCTで分かる。その後は副作用と相談をしながら、量や期間など調整できる。それでも効かなければ今の忍耐生活がすべて水の泡となる。とにかく効いてくれることを望むばかりである。
2008年7月6日日曜日
落書き事件
タルセバの副作用は日々それほどの変化はない。顔の皮疹は若干良い方向へ、身体の皮疹は増加方向へ。爪の皮疹が左右の指に合計3本ほど。先週末には下痢も。いくつかの副作用が重複して現われているが、耐える日々が続いている。
ところで、先週はイタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」に日本人旅行者が書き残した落書きが話題となった。そういえば、この大聖堂へは2000年に訪れたので懐かしい思いでニュースを見ていた。
いちばん上部へ上がるのは有料で、常時外に行列ができていて30分ほど待たされた。エレベーターなどないので、石造りの回廊をぐるぐる回りながら昇る。当時は癌の手術の前だったので若い人たちに負けずに、元気に昇ったが、今は肺の一部を失っているので息切れして昇れないかもしれない。窓のない回廊も展望台も確かにいたずら書きでいっぱいだった。その時はあまり日本語の落書きには気づかなかった。
それにしても、その落書きをした高校の野球部の監督は解任だそうだが、その処罰は厳しすぎはしないか?大体、高校の名前やフルネームで夫妻の名前を書いた人に罪の意識などあるはずはない。その常識のなさには驚くが、外国へ行った開放感から、ついついハメをはずしただけなので、きついお灸をすえる程度でよいように思う。確かに名所史跡へのいたずら書きは軽犯罪には当たるようだが、世界の観光地にあふれる落書きの実態を見ると、少々処置が厳しすぎる。
その監督は生徒達になかなか人望もあり、優秀らしく惜しむ声が多いらしい。世間の評価を恐れた学校の幹部の過剰反応ではないだろうか。時には厳しいことも必要だが、同時に愛情ある指導もなければ、人材は育たないようにも思えるが。
ところで、先週はイタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」に日本人旅行者が書き残した落書きが話題となった。そういえば、この大聖堂へは2000年に訪れたので懐かしい思いでニュースを見ていた。
いちばん上部へ上がるのは有料で、常時外に行列ができていて30分ほど待たされた。エレベーターなどないので、石造りの回廊をぐるぐる回りながら昇る。当時は癌の手術の前だったので若い人たちに負けずに、元気に昇ったが、今は肺の一部を失っているので息切れして昇れないかもしれない。窓のない回廊も展望台も確かにいたずら書きでいっぱいだった。その時はあまり日本語の落書きには気づかなかった。
それにしても、その落書きをした高校の野球部の監督は解任だそうだが、その処罰は厳しすぎはしないか?大体、高校の名前やフルネームで夫妻の名前を書いた人に罪の意識などあるはずはない。その常識のなさには驚くが、外国へ行った開放感から、ついついハメをはずしただけなので、きついお灸をすえる程度でよいように思う。確かに名所史跡へのいたずら書きは軽犯罪には当たるようだが、世界の観光地にあふれる落書きの実態を見ると、少々処置が厳しすぎる。
その監督は生徒達になかなか人望もあり、優秀らしく惜しむ声が多いらしい。世間の評価を恐れた学校の幹部の過剰反応ではないだろうか。時には厳しいことも必要だが、同時に愛情ある指導もなければ、人材は育たないようにも思えるが。
2008年7月3日木曜日
定期検診
昨日7月2日(水)は退院後初めての定期検診だった。
タルセバ服用は昨日で21錠目になる。
入院中は身体の皮疹が最初に現われて、次は顔に身体とは少々性質の違う皮疹が現われた。タルセバは皮膚全体にダメージを与えるようで、採血の後にあてがうガーゼのアルコールでもひどい炎症を起こしている。
身体と顔の皮疹の状態は退院後顔の方がひどくなった。イレッサの時には経験がなかっただけに、これは正直ショックだった。
今日の通院は帽子とマスクを着用した。がんセンターには帽子の人とマスクの人はたくさんいるので、これはごく普通の防御策だった。
タルセバ飲用前の説明では90%の人が顔に皮疹が出ると聞いていたので覚悟はしていた。ただ自分の場合はイレッサでは顔には皮疹が出なかったので、かすかな期待を持っていたが、期待は見事に裏切られた。
内科の医師に「タルセバを飲むと多くの人が皮疹が出ると聞いたが、自分の場合はひどい方ですか、軽い方ですか」と、どうも答えにくいだろう質問を敢えてしてみた。「重度な部類に入りますね」とあっさりといわれた。これを聞いたところでどうすることもできないのだが、まあ、覚悟が決まったとはいえる。
退院するまでは副作用は顔と身体の皮疹だけだったが、その後いろいろな副作用が出てきた。爪皮疹といって、爪の周囲の肉の部分に炎症が出る。イレッサのとき足の爪に出て「ひどい場合は指も切り落とすことがあります」などと脅かされたが、ドライアイスで処理したり、塗り薬を塗って大事には至ることはなかった。今回もそれと同じ現象が2日前から左手の人指し指と薬指に現われた。
昨晩から下痢をしている。これも退院後初めてだ。いずれも事前に説明を受けている症状で、副作用としてはそれほど重篤ではないのでガマンするしかない。
今はその効き目の方は不明(7/16のCTで確認)だが、この小さな錠剤のどこに強烈な副作用をもたらす毒が含まれているのだろう?毎日10時に飲む錠剤を見ながら感じてしまう。
症状の詳細は「tamyのつぶやき」→「闘病記(タルセバ服用)」参照。
タルセバ服用は昨日で21錠目になる。
入院中は身体の皮疹が最初に現われて、次は顔に身体とは少々性質の違う皮疹が現われた。タルセバは皮膚全体にダメージを与えるようで、採血の後にあてがうガーゼのアルコールでもひどい炎症を起こしている。
身体と顔の皮疹の状態は退院後顔の方がひどくなった。イレッサの時には経験がなかっただけに、これは正直ショックだった。
今日の通院は帽子とマスクを着用した。がんセンターには帽子の人とマスクの人はたくさんいるので、これはごく普通の防御策だった。
タルセバ飲用前の説明では90%の人が顔に皮疹が出ると聞いていたので覚悟はしていた。ただ自分の場合はイレッサでは顔には皮疹が出なかったので、かすかな期待を持っていたが、期待は見事に裏切られた。
内科の医師に「タルセバを飲むと多くの人が皮疹が出ると聞いたが、自分の場合はひどい方ですか、軽い方ですか」と、どうも答えにくいだろう質問を敢えてしてみた。「重度な部類に入りますね」とあっさりといわれた。これを聞いたところでどうすることもできないのだが、まあ、覚悟が決まったとはいえる。
退院するまでは副作用は顔と身体の皮疹だけだったが、その後いろいろな副作用が出てきた。爪皮疹といって、爪の周囲の肉の部分に炎症が出る。イレッサのとき足の爪に出て「ひどい場合は指も切り落とすことがあります」などと脅かされたが、ドライアイスで処理したり、塗り薬を塗って大事には至ることはなかった。今回もそれと同じ現象が2日前から左手の人指し指と薬指に現われた。
昨晩から下痢をしている。これも退院後初めてだ。いずれも事前に説明を受けている症状で、副作用としてはそれほど重篤ではないのでガマンするしかない。
今はその効き目の方は不明(7/16のCTで確認)だが、この小さな錠剤のどこに強烈な副作用をもたらす毒が含まれているのだろう?毎日10時に飲む錠剤を見ながら感じてしまう。
症状の詳細は「tamyのつぶやき」→「闘病記(タルセバ服用)」参照。
2008年7月1日火曜日
今日から7月
先週の退院後5日がたち、タルセバ服用は今日で20錠目になる。
タルセバは写真の右の錠剤で、左のイレッサとほぼ同じ大きさの錠剤である。ピンク色の外観は一見とてもソフトな印象を与えるが、外見とは違い、私にとっては非常に強烈な薬だ。ピンクの衣装を着た一見かわい子ちゃん風の悪女といったところだ。
抗癌剤といえば点滴を連想するが、近年出現したいわゆる分子標的薬といわれるこの錠剤の抗癌剤はいろいろな長所がある。
難しい理論は良く分からないが、説明によると分子標的薬というのは「上皮増殖因子受容体と呼ばれる癌関連たんぱく質に特異的に作用し、これらを阻害する薬剤として開発された肺がん領域で最も臨床応用の進んだ薬」だそうである。両方の抗がん剤を体験したが、この種の分子標的薬の良さは副作用が軽い、飲み薬なのでストレスが少ない。自宅で治療できる・・・というように点滴に比べてずいぶん楽な治療法だ。
タルセバの副作用はイレッサに非常によく似ている。皮膚疾患が多くの人に出やすいことをはじめ、下痢、肝臓数値の上昇、つめ障害、間質性肺炎等々である。
私の場合は皮膚が元々人より弱いので、イレッサのときも今回も皮膚疾患には人一倍悩まされている。主治医の先生もイレッサのときの症状を見ているので、タルセバを服用する前にずいぶん心配されたが、実際にその通りになった。
特に飲み始めて1週間前後から出だした顔の皮疹はイレッサの時には経験がない副作用。今日は今までより少し症状が緩和されているように感じる。このままだんだん良くなることを期待するばかりだが、問題は7月中旬に予定されているCTで効果がどうなのかということである。
2008年6月27日金曜日
退院
昨日【入院17日目】(タルセバ服用15錠目)退院した。
入院によって、初期に現われる副作用(私の場合は皮膚疾患だけ)の確認、及びその処置の仕方。心配される重度な副作用(間質性肺炎、肝臓数値の上昇等)のチェックや今後出た場合の対応の仕方を十分に指導を受けての退院ということになる。
2週間強の入院は今までも何度か体験しているので、特にストレスなく過ごせたといえる。悪く言えば、変な場慣れをしたということか。
それでも、待ちに待った退院である。18日目の我が家は精一杯の背伸びができる場所だ。入院中のストレスはないといっても、6時の起床と10時の消灯、日中動ける範囲等々日常とは違うことがいくつかあるので、すべてを含めて我が家にいる良さには適わない。
副作用の方は前回書いたときと大差はない。副作用は今のところ身体と顔に現われた皮疹だけである。身体の皮疹はそれほど変わらない。新しい皮疹が現われ、古い皮疹が消えて行く。腕や足が多く、その他は少ない。
問題は顔に現われた皮疹。顔全体が赤みがかり、ごつごつとした無色の湿疹が出ている。加えて口や鼻の周辺に粟粒状の赤い皮疹が出てきた。体の方はイレッサのときと同じようにそれほど痛くもかゆくもない。ところがそれと違って、顔の皮疹はかゆみがあり、触れるとひりひりと痛みがある。ひげを剃ることもできない。
1日中、薬を塗ってべたべたとしているので、木村拓也似の容姿も台無しである。
これからどのように変化していくのか分からないが、どちらにしても引きこもりは避けられそうもない。
それでも、病院へ行くときなどは外出しなければならない。大きなマスクにサングラス、帽子・・・などと家族で冗談を言って笑ったが、芸能人の変装と同じでその方が人の注目を引いてしまいそうだ。
病人だから病院へ来るんだと割り切って、平気な顔をするのがいちばん目立たないだろう・・という結論にになった。
入院によって、初期に現われる副作用(私の場合は皮膚疾患だけ)の確認、及びその処置の仕方。心配される重度な副作用(間質性肺炎、肝臓数値の上昇等)のチェックや今後出た場合の対応の仕方を十分に指導を受けての退院ということになる。
2週間強の入院は今までも何度か体験しているので、特にストレスなく過ごせたといえる。悪く言えば、変な場慣れをしたということか。
それでも、待ちに待った退院である。18日目の我が家は精一杯の背伸びができる場所だ。入院中のストレスはないといっても、6時の起床と10時の消灯、日中動ける範囲等々日常とは違うことがいくつかあるので、すべてを含めて我が家にいる良さには適わない。
副作用の方は前回書いたときと大差はない。副作用は今のところ身体と顔に現われた皮疹だけである。身体の皮疹はそれほど変わらない。新しい皮疹が現われ、古い皮疹が消えて行く。腕や足が多く、その他は少ない。
問題は顔に現われた皮疹。顔全体が赤みがかり、ごつごつとした無色の湿疹が出ている。加えて口や鼻の周辺に粟粒状の赤い皮疹が出てきた。体の方はイレッサのときと同じようにそれほど痛くもかゆくもない。ところがそれと違って、顔の皮疹はかゆみがあり、触れるとひりひりと痛みがある。ひげを剃ることもできない。
1日中、薬を塗ってべたべたとしているので、木村拓也似の容姿も台無しである。
これからどのように変化していくのか分からないが、どちらにしても引きこもりは避けられそうもない。
それでも、病院へ行くときなどは外出しなければならない。大きなマスクにサングラス、帽子・・・などと家族で冗談を言って笑ったが、芸能人の変装と同じでその方が人の注目を引いてしまいそうだ。
病人だから病院へ来るんだと割り切って、平気な顔をするのがいちばん目立たないだろう・・という結論にになった。
2008年6月25日水曜日
副作用で引きこもり
今日は【入院16日目】(タルセバ服用14錠目)
日曜日位から全身の皮疹とは性格の違う顔の皮膚炎症が出ている。全体に赤みを帯びて少し痒みがある。眼の周辺が赤みが強く眼球にも痒みがある。何かのアレルギー反応のようだ。その対応として昨夜から新しい抗ヒスタミン剤が支給された。今日は午後皮膚科検診が予定されている。
身体の皮疹は状態は似ているが、日々古い皮疹が消えて、新しい皮疹が出ている。古いのも跡が残るので、全体としてはひどくなっている印象。
今日がちょうど予定の2週間目、幸いひどい副作用はないので今の状態が続けば多分明日退院になるだろう。
患者からみると、医師側が数ある副作用の中で特別注意しているのは間質性肺炎や肝臓の数値の上昇、骨髄抑制等々であり、皮膚疾患や、吐き気、脱毛などの副作用はどうも軽く見ているように感じることがある(実際はそうではないが)。
命を落とす危険のある副作用は要注意であることに依存はないが、そうかといって皮膚疾患や脱毛など外見に現れる副作用だって患者にとっては命を落とすのと変わらないくらい気の重いことである。これは患者になって見なければなかなかその気持は分からないであろう。
このような副作用は間違いなく患者を引きこもりにする。仕事を持っていたり、どうしても出なければならない場面には引きこもっていられないだろうが、その第一歩には大変なエネルギーを必要とする。
これも癌になって困ることのひとつである。
日曜日位から全身の皮疹とは性格の違う顔の皮膚炎症が出ている。全体に赤みを帯びて少し痒みがある。眼の周辺が赤みが強く眼球にも痒みがある。何かのアレルギー反応のようだ。その対応として昨夜から新しい抗ヒスタミン剤が支給された。今日は午後皮膚科検診が予定されている。
身体の皮疹は状態は似ているが、日々古い皮疹が消えて、新しい皮疹が出ている。古いのも跡が残るので、全体としてはひどくなっている印象。
今日がちょうど予定の2週間目、幸いひどい副作用はないので今の状態が続けば多分明日退院になるだろう。
患者からみると、医師側が数ある副作用の中で特別注意しているのは間質性肺炎や肝臓の数値の上昇、骨髄抑制等々であり、皮膚疾患や、吐き気、脱毛などの副作用はどうも軽く見ているように感じることがある(実際はそうではないが)。
命を落とす危険のある副作用は要注意であることに依存はないが、そうかといって皮膚疾患や脱毛など外見に現れる副作用だって患者にとっては命を落とすのと変わらないくらい気の重いことである。これは患者になって見なければなかなかその気持は分からないであろう。
このような副作用は間違いなく患者を引きこもりにする。仕事を持っていたり、どうしても出なければならない場面には引きこもっていられないだろうが、その第一歩には大変なエネルギーを必要とする。
これも癌になって困ることのひとつである。
2008年6月21日土曜日
ちょっと遅めの父の日プレゼント
今日は【入院12日目】(タルセバ服用10錠目)
今日は朝から本格的な雨天。梅雨の中休みも終って、梅雨の後半に入ったようだ。
昨夜から、イレッサの時には出なかった顔への皮疹が出てきた。数は鼻の頭に一箇所、右頬に3箇所、左頬に2箇所。皮疹といっても身体に出ているものとは形状が違う。例えるとちょうど蚊に刺された後のように感じ、色がなく、若干痒みがある。色がないので最初はあまり目立たなかったが時間が経ったら全体に赤みを帯びてきた。
身体の皮疹はパラパラと若干数が増えているが、ザーネ軟膏の効果で殆ど消えたものもあり、全体としては大きく変わってはいない。
今日は長女(結婚して横浜に住む)と次女(同じく横浜に住む)と次女の娘(孫)が見舞いに来てくれた。そして、やや遅れたが父の日プレゼントを持ってきてくれた。こんな時はいつものことだが、まもなく2歳になる孫が主役となる。
大勢の人が集まるようなときは病室ではなくて、デイルームにある個室を使う。病室ではあまり大騒ぎをすると周囲に迷惑になるし、椅子もないので長時間はいられない。各階に2つ個室があり、無料なのだが、殆どの患者さんはそんなことは知らない。入院が7回目ともなると、この病院のことは隅々まで分かっているので、部屋の確保などはお手の物だ。
長女は勤務があるので明日横浜へ帰るが、次女はご主人のありがたい配慮で主婦業のお休みをもらって1週間ほどこちらに滞在してくれるようだ。来週は私の退院などがあるので娘がいてくれると助かる。
また孫がいることで老夫婦の心の支えになってくれそうだ。いつものさびしい生活にも灯りが灯ったようになることは間違いない。
今日は朝から本格的な雨天。梅雨の中休みも終って、梅雨の後半に入ったようだ。
昨夜から、イレッサの時には出なかった顔への皮疹が出てきた。数は鼻の頭に一箇所、右頬に3箇所、左頬に2箇所。皮疹といっても身体に出ているものとは形状が違う。例えるとちょうど蚊に刺された後のように感じ、色がなく、若干痒みがある。色がないので最初はあまり目立たなかったが時間が経ったら全体に赤みを帯びてきた。
身体の皮疹はパラパラと若干数が増えているが、ザーネ軟膏の効果で殆ど消えたものもあり、全体としては大きく変わってはいない。
今日は長女(結婚して横浜に住む)と次女(同じく横浜に住む)と次女の娘(孫)が見舞いに来てくれた。そして、やや遅れたが父の日プレゼントを持ってきてくれた。こんな時はいつものことだが、まもなく2歳になる孫が主役となる。
大勢の人が集まるようなときは病室ではなくて、デイルームにある個室を使う。病室ではあまり大騒ぎをすると周囲に迷惑になるし、椅子もないので長時間はいられない。各階に2つ個室があり、無料なのだが、殆どの患者さんはそんなことは知らない。入院が7回目ともなると、この病院のことは隅々まで分かっているので、部屋の確保などはお手の物だ。
長女は勤務があるので明日横浜へ帰るが、次女はご主人のありがたい配慮で主婦業のお休みをもらって1週間ほどこちらに滞在してくれるようだ。来週は私の退院などがあるので娘がいてくれると助かる。
また孫がいることで老夫婦の心の支えになってくれそうだ。いつものさびしい生活にも灯りが灯ったようになることは間違いない。
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